ここから本文です

「ピアノ練習しなさい」イライラ親にならないために

2019/12/3(火) 12:00配信

日経DUAL

習い事の王道であるピアノですが、練習をしなければ上達はしないがために、つい親子間で「練習しなさい!」とのやりとりが発生してしまうのではないでしょうか。親が子どもをせき立て、子どもが反発するあまりに親子の間でぎくしゃくすることがあるかもしれません。親はどのように家庭での練習をとらえればいいかをピアノを通して身に付いた 人生で役立つ4つの力に引き続き作曲家の轟千尋さんに聞きました。

●スタートさせてあげたことだけでも誇れること

―― 毎日娘に「ピアノの練習をしたの?」と聞いてしまいます。子どもの自主性に任せるのが一番だと頭では分かっていても、どうしてもやきもきしてしまいます。

 ピアノは正直場所を取るものですし、音が近所迷惑になっていないかを気にしなければならないし、住宅事情としても難しい。「そんな中でも、せっかくピアノを買ったのに」と、子どもが練習をしなかったらイライラしてきてしまう親御さんの気持ちはよく分かります。

 さらに、今の小学生は他の習い事や塾などで忙しいですよね。お母さんがたも働いていて忙しい。そんな環境で、習い事をさせてあげていることだけでもすごいことだと私は思うんです。

 子どもの頃にピアノを習っていて、しばらく離れていても、大人になって再開する人が多くいます。その時、「昔習わせてもらって本当に良かった」と皆思うのだそうです。ですから、習い事としてスタートさせてあげたことだけでも素晴らしいことで、それを誇りに思って頂きたいと声を大にしてお伝えしたいです。一生のうちに1年でも親にやらせてもらったことによって、子育て後や、シニアになってから『またやってみようかな』と思うかもしれない。そんなことと出合わせてあげられたなんて、すてきなことだと思いませんか?

親は子の一番のファンに

―― そんな風に考えたことはありませんでした! でもやっぱり、上達には練習が必要ですよね? どうしたらうまく促せるでしょうか。

 ピアノは孤独な楽器です。オーケストラで演奏される他の楽器のほとんどは、複数人で演奏したり、伴奏者がいて演奏するものです。でも、ピアノは一人で弾く楽器。他者への意識がとても低い私は、誰かに聞いてもらうことが強いモチベーションになると考えています。

 とはいえ、お母さんやお父さんが仕事や家事で忙しいと、聞いてあげることも簡単なことではないでしょう。私も自分が親になってみて、お母さんってなんて忙しいんだ! と驚きました。お子さんが練習する時間にじっくり腰を据えて聞くのは難しいでしょうから、例えば子どもの演奏を録音しておいて、夕飯後に一緒に聞くなどでも十分だと思います。

 今は、Youtubeに演奏を投稿するコンテストもあるんです。そうしたコンテストなども、お子さんのモチベーションアップにいいかもしれません。普段は一人で演奏する孤独な楽器だからこそ、誰かに聞いてもらえることがとてもスペシャルで、テンションが上がることになると思います。

 振り返って思えば、母や友人やが自分の演奏を楽しんでくれることが、私の練習の支えになっていました。そもそも音楽は人と共有するものです。特にお母さんって、子どもにとっては最強であり特別な存在です。なので、親御さんにはぜひお子さんの一番のファンでいてあげてほしいのです。そうすることで、自分からやりたいという思いが芽生えると思います。

1/2ページ

最終更新:2019/12/3(火) 12:00
日経DUAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事