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「商品受け取り」拠点、新サービスに賭けるリテーラーたち

2019/12/4(水) 11:51配信

DIGIDAY[日本版]

小売大手各社が、店舗で商品だけでなくサービスも提供する取り組みを進めている。この取り組みは、新規カスタマーを獲得するための、小規模かつ安価な手法としてトレンドになりつつあるようだ。

一例がウォルマートだ。同社は「ピックアップポイント」と呼ばれる商品受け取りの拠点をイリノイ州とカンザス州で試験的に運用している。ウォルマートは米国のカスタマー向けに商品受け取りサービスを強化しており、ピックアップポイントもそのサービスの一貫となっている。ウォルマートは地方、都市部を問わず全米に幅広く展開しているが、ピックアップのみを行う拠点は都市部のカスタマーをより重視している形だ。小売業界全体で、(主に都市部の)新規カスタマーの獲得とカスタマーエンゲージメントの維持を目的とした新たな手法が盛んになりつつある。この取り組みはリスクが小さいのも強みだ。そして実店舗を展開する小売企業のなかには、これをAmazonに挑むための戦略の一環に位置づけているところもある。

ウォルマートによれば、ピックアップポイントはカスタマーから好評を得られているという。この戦略は、カスタマーがより簡単に買い物を済ませられる環境づくりを目的としている。現在は大半が都市部で展開されており、地方に展開されているのは1箇所のみだ。ウォルマートのグローバルコミュニケーション担当ディレクターを務めるアン・ハットフィールド氏は米DIGIDAYの姉妹サイトのモダン・リテール(Modern Retail)に対し「ピックアップポイントの展開先はニーズに基づいて決めている」とメールで回答している。同氏はウォルマートが今後さらにピックアップポイントを増やす予定かについては明かしていない。

ほかにもスターバックス(Starbucks)がニューヨークでまもなく商品受け取りのための場所をオープンする。これは基本的にモバイルデバイスで注文し、商品を受け取るための場所だ。カスタマーはオンラインでコーヒーを注文してミッドタウンの店舗へ出向き、あらかじめ淹れられたコーヒーを受け取る。多くの店舗を展開しているスターバックスだが都市部ではラッシュアワー時の混雑に悩まされており、この問題を解決するための策として生み出されたのがこの取り組みだ。

スターバックスはAmazonと必ずしも直接的に競合しているわけではない。だが、カスタマーの満足度を高めていくために、新たな実験的サービスを打ち出していく必要があると考えている点では他社と変わらない。調査会社のeマーケター(eMarketer)で主席アナリストを務めるアンドリュー・リップスマン氏は、各社はこういった店舗における新たなフォーマットを足し合わせていくのではないかと語る。「これは小売業における本質を考えれば分かりやすい」と、同氏は指摘する。「運用効率を改善すれば利益は増える。客をより多くさばけるし、売り場もとらなくなる」。

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最終更新:2019/12/4(水) 11:51
DIGIDAY[日本版]

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