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「ログインアライアンス」を組む、欧州パブリッシャーたち:GoogleとFacebookに対抗するため

2019/12/4(水) 16:51配信

DIGIDAY[日本版]

各種ブラウザがトラッキングを排除し、オンラインプライバシーの新しい規制が施行されるという最近の流れのなか、ヨーロッパのパブリッシャーたちはマーケットのデュオポリー(複占)状態は、今後さらに強くなってしまうだろうと心配している。ユーザーとの関係性を維持し、自社データを集め、オーディエンスを広告主へとオファーするうえで、パブリッシャーにとってはオーディエンスの情報登録が主要な戦略となっている。その結果、パブリッシャーたちが「ログインアライアンス(login alliances:ログインのための連盟)」を次々に形成している。それによってユーザーたちがひとつのアカウント登録で複数のサイトにアクセスできる、というものだ。

ログインアライアンスはスイス、フィンランド、フランス、ポルトガル、ドイツといった国パブリッシャーのあいだで形成されている。これらのアライアンスのなかには、広告主に対して広告ターゲティングのオプションを提供するレベルにまで拡張しているところもある。しかし、競合他社がコラボレーションをする際によくあることだが、全体的な進捗は比較的遅い。これは競争上の懸念や技術上の混乱、そしてデータシェアに関する不合意などが原因だ。

それでもメディア・コンサルタント企業であるADZストラテジーズ(ADZ Strategies)のファウンダーであるアレサンドロ・デ・ザンチェ氏によると、方向性を考えると、現状のウェブのオープンマーケットプレイスよりも好ましいとのことだ。

「アライアンスを組むことがメディア経営者にとっての未来だと思う。パブリッシャーたちの異なる特徴を『平均化する必要がある』というわけではない。独占状態になるというわけでもない。厳しいスタンダードを持った環境を持つことだ」と、デ・ザンチェ氏は言う。

参照点としてのドイツ

ログインソリューションという点ではドイツのマーケットが今日、もっとも発達しているといえるだろう。

ドイツの放送局であるRTLグループ(RTL Group)とプロジーベンザット1メディア(ProSiebenSat.1 Media SE)は、インターネット・サービス・プロバイダのユナイテッド・インターネット(United Internet)と協力して、2017年に統合ログインサービスを作るためにパートナーシップ関係を結んだ。翌年、独立した団体としてヨーロッパ・ネットIDファウンデーション(European Net ID Foundation)が設立され、2018年11月に消費者に向けて公式にログインソリューションがローンチされた。

現在、70ほどの企業がネットIDログインを利用しており、25社以上が導入プロセスに取り組んでいる最中である。ネットIDの広報担当者は現在のユーザー数を明らかにしなかったが、潜在的にはドイツ単独で、参加ウェブサイトを合計すると、3800万人のユーザーにリーチできると答えた。

ドイツマーケットのほかを見てみると、ヴェリミ(Verimi)がある。ヴェリミは2017年にローンチされたサービスだが、パブリッシャー向けのログインアライアンスというよりは、インターネット・ユーザーのデジタルIDを保管するための金庫のような役割として自らを捉えている。銀行口座を開いたり、政府関連のオンラインサービスにアクセスするときに使用する、といった具合だ。アクセル・シュプリンガー(Axel Springer)、ドイチェ・テレコム(Deutsche Telekom)、そしてアライアンツ(Allianz)などが株主に名を連ねている。ヴェリミの広報担当者もユーザー数を明かさなかった。

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最終更新:2019/12/4(水) 16:51
DIGIDAY[日本版]

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