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令和ニッポンは 「後進国」に転落する?──内田樹の凱風時事問答舘【第58回】

2019/12/4(水) 8:10配信

GQ JAPAN

武道家にして思想家。高校中退で、大検をとって東大入学も、大学院3浪、8年間で32大学の教員公募に不合格したウチダ先生が、今月もあなたの難問奇問にお答えします。全国民必読の問答集。

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Q:平成から令和になって、そろそろ半年。10月22日は「即位礼正殿の儀の行われる日」ということで祝日になります。令和はどんな時代になると思われますか? 今のうちにやっておいた方がよいことがあったら教えてください。

A:人口減と高齢化とAI

未来予測はむずかしいです。わかっているのは、急激な人口減と高齢化が訪れるということ。このような事態を日本人は過去に一度も経験したことがありません。だから、何が起きるのか、どう対処したらいいのか、誰も正解を知りません。

もう一つはAIの導入による雇用消失。これもどの産業セクターで、いつどの程度の雇用消失が起きるかは予測がつきません。

アメリカではAIによる雇用消失についてはさまざまなシミュレーションが行われています。僕が読んだ限りでは、楽観的な数値で14%、悲観的な数値では38%の雇用が「消える」と予想されています。

まず消えるのが長距離トラック運転手だそうです。自動運転は技術的にはほぼ完成していますので、実用化されると200万人の雇用が消滅するそうです。自動運転車は交通違反もしませんし、休憩もしないし、眠りもしないで、365日24時間運転し続けてくれる。初期投資の費用が相当かかっても、長期的には、導入に遅れた企業にはまるで勝ち目がありません。

それ以外にも、高度専門職であるはずの弁護士や医師の業務でも、相当部分でAIが人間に取って代わると予測されています。

でも、日本では、AIによる雇用消失はほとんど話題になりません。日本は賃金が安いので、自動化するより低賃金労働者を使い倒した方が儲かる、という算盤を弾いている経営者が多いからでしょう。

でも、そうやって世界のトレンドに遅れ続けた場合、気がついたら、日本は低賃金労働者しか売り物がない「後進国」に転落している……ということは十分にあり得ます。

というのが、かなり暗い未来予測です。

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最終更新:2019/12/4(水) 8:10
GQ JAPAN

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