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いま中国で兄弟車が続々と誕生する理由とは

2019/12/4(水) 18:01配信

WEB CARTOP

広州は日系企業が多いため日本車の出展が多い

 2019年11月22日から12月1日まで、広州市内において「第17回広州国際汽車展覧会(広州ショー)」が開催された。広州ショーは毎年開催され、隔年開催となる北京と上海に並ぶ、「中国三大自動車ショー」と呼ばれている。

【写真】日本市場でも人気のトヨタRAV4

 広州エリアには日系と現地メーカーとの合弁会社の、広汽豊田、広汽本田、東風日産の生産拠点などがあることから、広州ショーの特徴は日系メーカーの存在感が強い自動車ショーであることだ。ここ最近日系メーカーは、ドイツ系の積極的な華南地区への進出や、EVを背景とした中国メーカーの躍進などに押され気味にも見えるのだが、それでもまだまだ強い存在感を見せている。

 今回の広州ショーにおける日系メーカーの特徴のひとつに、SUVのラインアップ強化がある。

まず広汽豊田は今回のショーで、RAV4の兄弟車となる「ワイルドランダー」のワールドプレミアを行った。また、広汽本田は今回のショー会場でCR-Vの兄弟車となる「ブリーズ」をショーデビューさせている。ちなみにRAV4は一汽豊田、CR-Vも東風本田という、それぞれもうひとつの合弁会社で、長きにわたり現地生産されている。

いまでも広汽豊田はカムリ、東風本田はシビックを現地生産しており、一汽豊田や広汽本田には兄弟車の設定はない。「看板」となるモデルについては、生産の「棲み分け」が行われているのである。

選択肢を増やすことで販売促進へとつなげている

 ただここ最近は広汽豊田のC-HRと一汽豊田のイゾア、広汽本田のヴェゼルと東風本田のXR-Vなど、両メーカーともに、すでにさまざまなモデルで兄弟車をラインアップしてきているので珍しい話ではない。しかし、SUV人気がかなり高い中国市場において「ドル箱」ともいえる看板モデルのRAV4やCR-Vの兄弟車が出ることは、中国市場でSUVのさらなる販売上積みを狙おうとしていると見るのは自然の流れとなるだろう。

 たとえば、広州のある華南地区では、華北地域の天津で生産されるカローラよりも、地元で生産される兄弟車のレビンのほうが街なかでよく見かける。広い中国では物流面でまだ問題が残っていたり、「地元愛」のようなものが強いので、地元メーカー製の兄弟車は強力な助っ人にもなるのである。

 またユーザーの多様化もあるだろう。RAV4にしてもCR-Vにしても中国市場も意識はしているのだろうが、北米市場でもドル箱車となっているのでやはりアメリカっぽさも残ってしまっている。そこで、より中国市場に寄り添ったスタイリングなどを採用した兄弟車の設定により、消費者へ多様な選択肢を与えることで販売促進にもつながるのだ。消費者のクルマへの関心は、いまの日本とは比較にならないほど高いのである。

 新車販売に陰りが見えるような報道が日本では目立っているが、広州ショー会場で見る光景は日本とはまったく異なり、まだまだ消費者の新車に対する眼差しに熱いものを感じた。新車販売促進への刺激剤としても、ここで紹介した2台は大きく貢献してくれそうだ。

最終更新:2019/12/4(水) 18:01
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