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メンタルダウンしそうな夫に妻ができること。『妻のトリセツ』著者の答えは?

2019/12/4(水) 15:15配信

webマガジン mi-mollet

 うつに悩まされる人が増えている昨今。夫がうつ病を患った場合、妻はどう対応するのが良いのでしょうか? 夫たちが理解できない“妻の理不尽な行動のワケ”を記した著書『妻のトリセツ』が40万部超のベストセラーに。また待望の続刊『夫のトリセツ』も大反響を呼んでいる脳科学コメンテーターの黒川伊保子さんが、アドバイスをくれました!

夫が「妻を怖がる」最大の原因とは? 脳科学で解明する『妻のトリセツ』

 ちゃまりんどさんからの質問

Q. 一度うつ病になった夫が、また病院に通い始めました。家庭内で夫を癒やすヒントを教えてください。

夫は50代。大学卒業後、長年勤めた会社で一度うつ病となり半年休みました。それから10年経ち、最近またこっそりと病院に通い始め、睡眠導入薬をたまに服用しているようです。私は栄養面など気を遣い、負担のないように見守るだけです。夫は3年前に一度転職し、その後は普通にしています。家庭内で夫を
癒やす暮らし方やハッピーになるヒントを教えてください。(46歳)


黒川伊保子さんの回答

A. 夫を癒やすには、実は【優しい沈黙】がベストなのです。

病気については、「こっそり」とか「見守るだけ」と言わず、一度ちゃんと話し合って、一緒に歩まれた方がいいように思います。これは私個人の体験談なのですが、夫は以前、うつ病と診断されて、3か月の長期療養を2度繰り返した挙句、3度目のメンタルダウンに向かったことがあります。その時に私は「今の治療では無理だな」と思ったので、知り合いの血液栄養学の専門家に夫を預けたんです。夫の場合は糖尿病の薬も飲んでいて、薬の飲み合わせも不安でしたので、そこで綿密な血液検査をしてもらったところ、うつ病ではないことが判明しました。夫は、薬によって血糖値が下がり過ぎて低血糖症を起こしていたんです。

それで薬を変えて、早寝早起きと食事療法をしたら一気に立ち直って、それからは何事もなく元気に定年まで働きました。メンタルダウンというのは、あらゆる原因から起こりますから、夫婦で情報共有し合って、本人が気づかないことを気づいてあげて欲しいと思います。

さて、その気づかいをしたうえで、さらに家庭でできることをご提案します。50代は男女共に生殖ホルモンが減衰して、自律神経も乱れがち。何かとデリケートな時期なので、「夫婦で一緒に健康管理をしましょう」と声をかけることも大事かもしれません。食事、睡眠……。その方法は私の著書『「ぐずぐず脳」をきっぱり治す! 人生を変える7日間プログラム』にも書いてあるのですが、これを機に「二人で健康管理をしっかり考えよう」と提案されてみてはいかがでしょうか? とくにうつ病は生活習慣が大きく影響しますから、いつ電気を消して、何を着て寝るか、といったことまで、「真剣に考えよう」と声をかけてあげたら良いのではないでしょうか。

ただしそのとき、小言を言うと夫は自分の不調を言ってくれなくなります。「アナタはうつなんだからこれ食べちゃダメじゃない」、「うつなんだから11時に寝なきゃ」などと厳しく管理するのではなく、「一緒に何ができるか考えよう」というところから始めてください。そして、本来10個やらなくてはいけないことがあるとしても、まずは2個だけやってみるなど、ゆるくおこなうこと。大事なのは、気楽に楽しくやれる環境を作ることです。夫が黙っているところを見ると、もしかしたらちゃまりんどさんは、心配のあまりつい𠮟っているのではないでしょうか。

 それともう一つ、お伝えしておきたいことがあります。それは、夫にとって一番の癒しは、放っておくことだ、ということです。ここが多くの女性が間違えがちなところで、よく聞くのが、「夫に何か悩みがあるみたいだから癒やしてあげたい」と、根掘り葉掘り聞いてしまう、というものです。でもそれは逆効果。本気で癒やしてあげたいなら、必要なのは“優しい沈黙”なのです。

 というのも、男性は喋るということに対してストレスを感じる生き物だから。女性は、人と喋って共感することで生存確率が上がる種です。しかし男性は、もともとは狩人ですから、風の音や獣の気配などを感じながら歩く、というのが日常だったわけです。そのとき隣にベラベラ喋る人がいたら命が危ないですよね? だからたくさん喋られると、男性の脳は危機を感じるようになっているのです。たとえそれが、どんなに楽しいお喋りだとしても……。

ですから男性を癒やしてあげたいと思ったならば、“何も喋らなくてもいい”という状態を作ってあげてください。そして目が合ったときは、ニコッと笑ってあげましょう。これこそが、優しい沈黙。不機嫌な沈黙ではダメです。奥さんが何だかご機嫌で僕は放っておかれている、でも目が合ったら笑ってくれる、これが男性にとってもっとも癒やされる環境なのですよ。

夫婦で一緒に健康管理をしていくこと、そして優しい沈黙。この2つを是非実行してみてください。

PROFILE黒川伊保子1959年、長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテーター、感性アナリスト。奈良女子大学理学部物理学科卒業後、コンピューターメーカーでAI(人工知能)の開発に携わる。1991年に、世界初と言われた日本語対話女性型AIを開発。また世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発。近著に、40万部超のベストセラーとなった『妻のトリセツ』、その続刊の『夫のトリセツ』(講談社α新書)も好評発売中。 この人の回答一覧を見る山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る 取材・文/山本奈緒子 

黒川 伊保子

最終更新:2019/12/4(水) 15:15
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