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職場関係を乱す「肩書固執おじさん」、どう対応する?

2019/12/4(水) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「60歳で定年退職」はもう昔の話。65歳、70歳まで働ける社会になりつつありますが、定年後「再雇用」されたため、今までの役職を失うシニア人材も増えています。元の肩書に固執し、横暴に振る舞う彼らと、どうやって付き合っていくべきでしょうか? 株式会社CN総合コンサルティング代表・中原千明氏が解説します。

「肩書呼び」が不要な上下関係を構築する

過去の肩書にこだわっているシニア人材は、少なくありません。退職したのにもかかわらず、名刺に「元部長」「元校長」という肩書をつけているシニア人材がいるという話を聞いたことがあります。課長、部長、本部長、常務、専務など役職の肩書にこだわるのは一種の大企業病だと、私は考えています。

役職をつけるのは責任の所在をはっきりさせたり、昇給の理由としたりするためですが、社内での人間関係を安定させるためでもあります。役職があると、上司には部下を指導監督する責任が生じます。それと同時に、上下関係が固定されることになります。たとえ部下のほうが仕事ができて優秀だったとしても、社会人の常識として上司は上司、部下は部下という立場をわきまえるよう要求されるのです。

シニア人材は、前職では役職についていたとしても、転職先では新入社員と同じ立場になる場合もあります。それでもシニア人材の経験や実績を尊重して、「シニアリーダー」「シニアマネジャー」のような肩書をつくるという方法もあるかもしれません。私は、そういう方法は実はなんの解決にもならないのではないかと思います。

転職先で経験や実績がないのなら、特別扱いする必要はないでしょう。特別扱いすると、シニア人材は新しい環境でのやり方を学ばなくなるかもしれませんし、周囲もやはり反感を抱きます。ですので、上下関係をなくしてしまうのが、一番の解決策ではないでしょうか。

会社を運営するにあたって、役職を設けることが必須かといえば、必ずしもそうではありません。事実、役職が細かく分かれているのは、ほとんどが大企業で中小企業では社長のほかは全員ヒラ社員というところも数多くあります。おそらく社員が20人くらいまでなら、リーダーは社長1人で十分でしょう。それ以上の規模になると、いくつかのグループに分けて、それぞれのリーダーを決めることが必要になります。

私の会社では、それぞれの社員の得意分野が違うため、案件によってさまざまな人がリーダーシップを取るというスタイルでやってもらうようにしています。私は、会社の中に不要な上下関係はなるべくないほうがいいと思っていますから、年齢にかかわらず、全員「さん」付けで呼ぶようにしています。私のことも「社長」ではなく「中原さん」と呼んでもらっています。私が皆と話すときは丁寧語で話すようにしていますし、他の社員同士も同じです。

皆さんの会社でも、全員を「さん」で呼ぶ習慣をつくってみたらいかがでしょうか。そうすると自然に上下関係がなくなるので、若い社員がベテラン社員に対して意見を言いやすくなるというメリットが生まれます。議論が活発になるので、会議で若手社員がだんまりしているような光景もなくなるでしょう。

そもそも、肩書は人に尊敬してもらうためのものではなく、自分の人柄や振る舞いが立派であれば、自然と周りは尊敬してくれるものです。肩書をなくせないのだとしても、「さん」で呼び合う環境にするだけで、フラットな組織になるでしょう。そうすればシニア人材も溶け込みやすくなりますし、誰もがいきいきと働ける職場になるはずです。

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最終更新:2019/12/4(水) 8:24
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