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入管収容所で痛みを訴えても放置されたクルド青年、「癌」で右精巣を切除

2019/12/4(水) 8:34配信

HARBOR BUSINESS Online

睾丸の痛みを訴えるも、3か月半以上放置

 トルコ国籍クルド人のムスタファさん(26歳)が、弁護士とともに霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。

⇒【写真】記者会見には多くの記者が集まった

 収容中に睾丸の痛みを訴えたが、3か月半以上放置されていた。解放後に自身で病院に行ったところ右精巣腫瘍と診断され、緊急手術により右精巣を切除した。この件について国賠訴訟をおこし、国に832万5000円の損害賠償を求めるものとした。

 ムスタファさんは2012年2月10日に来日し、難民民申請をする。2016年に酒場で喧嘩に巻き込まれ、30万円の罰金を支払うこととなった。これがきっかけで収容され、3年4か月もの間、入管の収容施設で過ごすこととなる。

 今年4月から、ムスタファさんは睾丸の痛みを職員に訴えるようになったが、なかなか聞き入れてもらえなかった。2週間ほど待たされ、やっと施設内にある非常勤医師のもとに連れて行かれた。

 非常勤医師は、最初は「感染症ではないか」と思い抗生物質を出した。しかし、治癒する様子もなかったことから「外部の病院で検査したほうが良い」と判断し、ムスタファさんと職員にそう告げた。

 ところが、ムスタファさんは外部の病院に連れて行ってもらえることは一度もなかった。日々、痛みを職員に訴えても相手にされない。鎮痛剤もしだいに効かなくなり、痛みで夜も眠れない日々を過ごした。

 仮放免されることもなく、病院にも連れて行ってももらえないムスタファさんの焦りは募る一方で、ついには意を決して8月からハンストを開始した。

もし仮放免にならなければ、命を落とす危険があった

 9月5日に仮放免になり、やっと外に出ることかできた。痛みを訴えてから3か月半、とうとう一度も病院に連れて行ってもらえることはなかった。

 解放後、自ら近隣の病院へ出向いた。医者から総合病院で検査を受けるよう指示され、紹介状をもらって9月10日に検査を受けたところ、右精巣腫瘍が発覚。9月13日に緊急手術が行われ、右精巣を切除した。

 摘出した部位の病理学的検査の結果、腫瘍は悪性のもので「癌」であるとのこと。1か月に一度は採血・診察をし、3か月に一度はCT検査を行わなければならない。

 まだ若いムスタファさんにとっては、体の一部を失うという、かなり絶望的なできごととなった。また病気が再発する可能性もないわけではない。ムスタファさんは、「入管に人生をめちゃくちゃにされた」と周囲に嘆いていたという。

 大橋毅弁護士は「ハンストをやったことで出られたものの、そうでなければ解放の見込みはなく、命すら落とす危険があった」と強い憤りをみせる。

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最終更新:2019/12/4(水) 8:34
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