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日韓関係が何度でも最悪になる「本質的要因」

12/4(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

徴用工問題に関する韓国大法院の判決、日本側の輸出管理強化措置、韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する通告――。日韓の関係悪化が安全保障関係にも波及し、貿易・投資関係も縮小している。
日韓の間の信頼関係の喪失、出口なき関係悪化に対し、両国は成すすべがないのか?  日米経済摩擦、日米安保協力・基地返還、北朝鮮外交――交渉によって「不可能」を可能にした、日本外交きっての戦略家・田中均さんが、情勢を見るための“正確な眼”を伝授する。

※本稿は、田中均著『見えない戦争 インビジブルウォー』(中公新書ラクレ)の一部を、再編集したものです。

■反日意識はいつまで続くのか

 戦後の日本は平和主義に徹し、世代も変わった。それなのになぜ、韓国は過去の歴史にこだわり続けるのか、日本は何回謝ればよいのか、韓国の反日意識は未来永劫続くのではないか。そう感じている日本人は少なくないだろう。

その背景に、韓国が日本に対して抱き続ける「恨」の意識があることは前回記事で詳しく述べた。

 慰安婦問題をきっかけとし、その後、徴用工問題について韓国大法院が日韓基本条約とは相いれない判決を下したことや、自衛隊艦船に対するレーダー照射などに対する日本側の反発は強い。半導体材料に関する日本側の輸出管理強化措置は報復措置ではないと説明されるが、韓国は政治的理由による措置だと断じる。議論は今後WTOなど国際機関の場に移るのだろうが、簡単に事態が収束していくわけではない。

 そして韓国は日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する通告を日本に行った。関係悪化が安全保障関係にも波及してきた。従来は政治関係が厳しくなったとしても経済関係に大きな影響が出たわけではないが、今回は貿易・投資関係も急速に縮小し、観光でも深刻な影響が出ている。

 一言でいえば日韓の間の信頼関係の喪失であり、「近くて遠い国」の再来だ。この背景にある本質的な3つの要因を理解し、克服していかない限り、泥沼から抜け出す道はない。

■保守と革新、あまりに異なる両国政権の基盤

 第1には、保守と革新という両国政権のよって立つ基盤があまりに異なることであり、日韓関係はその中心的論点になっているという点だ。

 1998年の小渕・金大中共同宣言では過去の歴史を乗り越え、日韓両国が未来へのパートナーシップへと向かうことが宣言された。現に、2002年のサッカーワールドカップの共催をきっかけに日韓交流は飛躍的に拡大し、日韓は「近くて近い国」になったかと思われた。

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最終更新:12/4(水) 5:30
東洋経済オンライン

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