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独占告白「中国資本が台湾の技術を食い尽くす」

2019/12/4(水) 5:50配信

東洋経済オンライン

 台湾北西部・新竹市。ここ数年、台湾のシリコンバレーと呼ばれる「新竹サイエンスパーク」が妙な雰囲気に包まれているという。関係者はこう話す。

 「若い技術者がここから車で十数分の台元サイエンスパークに次々と移っていくのです。その後、彼らは車を買い替え、家まで購入しました」

 「友人の息子も半導体大手のメディアテックを辞めて起業すると言っていたが、いま何をしているのかまったくわかりません」

■中国資本が半導体分野の人材を引き抜き

 起業――。これは中国資本が台湾の技術者を引き抜く際に使う手法の1つである。台元サイエンスパークには有名な台湾企業も数多く入っているが、その一方で従業員数3~5人のベンチャー企業も少なくない。

 そのベンチャーの起業資金は中国由来だと言われており、地元では「中国資本による半導体分野の人材引き抜きの拠点」とささやかれているのだ。

 ある大学教授も、過去に中国側から起業を勧められたという。彼は辞退したものの、同僚や学生が誘いに乗っていく姿を見てきた。いわば「台湾技術を食い尽くす中国」の目撃者なのだ。以下は彼自身の経験による話である。

 5年ほど前、私の学生がある人物を連れて訪ねてきました。その人物が関与する企業「A社」が私の技術に興味があるというのです。

 A社は外資系企業。当時、法律で外資系企業への技術移転は規制されていました。ですが、A社は台湾に子会社があるため、大学の許可さえ下りれば子会社への技術移転自体は問題ありませんでした。

 その技術移転について、彼らが私に提示した額は2000万台湾ドル(約7130万円)。ただし条件があり、それは私が新会社を設立し、A社の中国支社の株を取得することでした。しかし、私の希望は800万台湾ドル相当のA社株を私へ、そして現金1200万台湾ドルを大学に支払うことだったので、起業の話は辞退しました。

■出資者は中国人民解放軍だった

 しばらくして、私が希望した「A社株と大学へ現金を支払うこと」が通らない理由がわかりました。A社が突然、「実はこの技術移転に関する資金は中国国外に持ち出せない金なのだ。資金の裏には中国の人民解放軍がいる」と打ち明けてきたのです。

 まさか出資者が人民解放軍だったとは。過去7回の会談に来たのは全て台湾人だったので、思いもよらないことでした。もちろん技術移転の話は消えました。

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最終更新:2019/12/4(水) 5:50
東洋経済オンライン

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