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サステナビリティって何? 専門家が答えます。連載Vol.17 タンパク質で何でも作れる!? スパイバーの関山代表が語るその可能性

2019/12/4(水) 10:00配信

WWD JAPAN.com

サステナビリティに取り組まない企業は存続できない――といわれる一方で、具体的に何をどうしたらいいのか分からないという声も聞く。そこで「WWDジャパン」11月25日号では、特集「サステナビリティ推進か、ビジネスを失うか」を企画し、経営者やデザイナー、学者に話を聞きその解決策を探った。今回は人工構造タンパク質素材を開発するバイオテックベンチャーとして世界から注目を集めるスパイバーの、関山和秀取締役兼代表執行役に聞く。

【画像】サステナビリティって何? 専門家が答えます。連載Vol.17 タンパク質で何でも作れる!? スパイバーの関山代表が語るその可能性

スパイバーは、遺伝子工学を駆使して合成したタンパク質を微生物による発酵プロセスで製造した“ブリュード・プロテイン”を開発し、すでにナイロンのような長繊維やカシミヤ風の原毛、さらには自動車のドアパネルやクッションシート、人工毛髪やスケートボードの試作品を提案してきた。そして8月には、ゴールドウインと共同開発した“ムーンパーカ”を50着限定で販売。この人工構造タンパク質素材は山形県鶴岡市のパイロットプラントで生産されたもので量産には至っていないが、21年にはタイにプラントが完成して商業生産が可能になる。“ブリュード・プロテイン”はどれだけサステナブルなのか。

"化石資源に頼らない循環するモノ作り"

WWD:なぜ人工構造タンパク質なのか?

関山和秀取締役兼代表執行役(以下、関山):当社が開発する人工構造タンパク質素材は、ニーズに応じて特長を分子レベルでデザインできるので、将来的にはナイロン調やポリエステル調のようなさまざまな素材が作れるようになる。原料を石油などの化石資源に頼らない新しい素材としてサステナブルな社会の実現に向けて貢献できると確信している。そして、人間の産業や社会も地球規模で見ると生態系の一部であり、物質が自然の生態系の中で循環していく仕組みを作るのが合理的。なので、地球上の生態系のバランスに即して循環できるサイクルのなかで、化石資源に頼らずモノ作りをすることは必然かつ必要なことだと考える。

そして、できるだけいいエネルギー効率やいい調達方法を考えるのが人類や社会全体のサステナビリティにつながる。サトウキビから採れる糖分などを原料として使い、タンパク質を微生物で精製することはエネルギー効率の面から見ると非常に優れていると考える。

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最終更新:2019/12/5(木) 15:29
WWD JAPAN.com

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