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松坂大輔の西武復帰は、チームに大きな効果を与えます/デーブ大久保コラム

2019/12/5(木) 11:00配信

週刊ベースボールONLINE

 まだ本決まりではないようですが、松坂大輔が西武と契約をする可能性が高いみたいですね(※その後、12月3日に契約合意が発表)。この話を聞いたときに、渡辺久信GMの顔がパッと浮かび「ナベちゃんらしいなあ」とも思いましたね。

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 2009年、私は西武のプロスカウトをしていました。そのときにDeNAを戦力外になった工藤公康(現ソフトバンク監督)さんの獲得に動きました。ナベちゃんも「昔一緒にプレーした仲間だし、実績のある人だから、最後の花道を作ってあげたい」と工藤さんの家まで直接2人で行きました。普通は他チームを戦力外になった選手に対して、球団編成の上の人間が、バカ丁寧な言葉は掛けないと思います。しかしこのときナベちゃんは工藤さん対し「工藤さん、来てくださいね」という言葉を掛けたのです。目線を常に下げ、いろいろな人に同じように話ができるのが渡辺久信という人なのです。

 一昨年、松井稼頭央(現二軍監督)も西武に帰ってきました。過去に自分の意志で西武を出ていった選手が戻ってくるということはなかったのですが、それを覆しました(工藤さんは説得しての復帰でした)。これもナベちゃんの意向ですよね。

 一方で、チームは若返りを行っている途中で、しかも2年連続でチーム防御率は4点台という状況。そこを立て直していく中で、もう晩年に入ってきた、今季中日で一軍登板が2試合しかない投手である松坂を獲得しようというのは、いろいろな批判を受ける可能性が高いです。

 それでも獲得を進めていくのは、「一度でも西武のユニフォームを着たことがある選手なら、全員ライオンズの選手」という考えがナベちゃんにあるからです。そして、工藤さんや稼頭央、そして松坂という西武の歴史を作ってきた選手たちを「いい形で終わらせてあげたい」という気持ちがすごく強い。松坂も最後は西武で終わりたいという気持ちはあると思いますよ。

 さらに言えば、レジェンドである松坂が西武に入ることで、有形無形の財産を投手陣に与えてくれると思うんです。投手コーチのひと言より、生きた伝説の練習態度を見るだけで、選手たちへの効果がどれだけあるか計り知れません。それもナベちゃんは考えていると思いますよ。

 そして何より西武ファンはどうでしょう? 松坂が現役最後を「西武」で終えてくれる。あれだけの実績を積み上げた男が、最後に西武で終わる、このような涙が出るようなストーリーを、松坂がレッドソックスに移籍したときに考えられましたか? それが実現できるところまで来ています。私は野球界にとって素晴らしいことだと思います。

 いやらしい話になりますが、営業的にも松坂グッズはすごく売れそうな気がします。ファンにとってもチームにとっても、そして選手にとっても素晴らしいことが起こると思います。私も早く松坂の西武復帰の入団会見が見たいです。

『週刊ベースボール』2019年12月16日号(12月4日発売)より

PROFILE
大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

週刊ベースボール

最終更新:2019/12/5(木) 11:11
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