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英 ガーディアン 、次期CEOが直面する「綱渡り」

2019/12/5(木) 17:01配信

DIGIDAY[日本版]

ガーディアン(The Guardian)の現CEOであるデビッド・ペムゼル氏は来年4月よりも前、どこかの段階で現職を離れ、プレミアリーグ(the Premier League)のチーフ・エグゼクティブになる予定だ。彼の後継者を待ち構えているもっとも大きな課題は何かについて、とある英国メディア業界人はうまくサッカーにたとえている。それはプレミアリーグは、(チャンピオンの地位を)勝ち取るよりも、守るのが難しい、というたとえだ。

ペムゼル氏のもと、ガーディアン・ニュース・アンド・メディア(The Guardian News & Media)は今年、損益分岐点を達成した。これは20年に渡り、大きな借金を何度も繰り返してきてのことだ。ペイウォールを固めることをせず、一度限りの寄付から定期的な寄付へとシフトすることで、読者からの直接収益をさらに増やすという野心的な戦略には懐疑的な声も挙がったが、この戦略変更が正しかったことを証明した形だ。

近年、ガーディアンが見せたイノベーションもさることながら、3年間をかけた損益分岐点を達成するための取り組みは、ペムゼル氏のもとで行われた積極的なコスト削減戦略も駆動となっていた。新聞の大きさはベルリナー判からタブロイド判へと縮小され、ロンドンのキングス・クロス地区にある本社の近くに建設予定だった3万平方フィートのイベント・スペース計画も停止された。これらすべて、コストを20%削減するためだ。

いま、削減できる脂肪ははるかに減っている。

「まず最初の段階は、ビジネスの首根っこを掴んだ状態で、『我々はビジネスであり、それを謝る必要はない』と宣言することだ」と、エンダーズ・アナリシス(Enders Analysis)のパブリッシングとテック部門ディレクターでありCEOのダグラス・マケイブ氏は言う。

次のステージにはふたつの非常に異なるビジネスモデルのあいだでバランスを取るという複雜なジレンマを抱えたものになる、とマケイブ氏は言う。ふたつのビジネスモデルとは、お金を払う読者と、お金を払わない読者のマネタイズ、だ。

また3年前と比べて、パブリッシャーたちを囲む環境が優しくなっているわけでもない。GoogleとFacebookはいまだ、オンラインにおける広告支出を圧倒的に支配しており、ニューススタンド収益は全体的に破滅的な減少を見せている。新しいプライバシー関連の規則やブラウザ側からの変更によってトラッキングが制限されており、サードパーティのCookieを使った広告主へのオーディエンス販売はさらに難しくなっている。

「2016年から施行されてきた戦略を通じて、我々はグローバルなメディア分野における現在進行系の課題に対応することができるような、より読者からの収益が大きく、よりデジタルで、より国際的なビジネスの基盤を作ってきた。我々の戦略は成功を見せているものの、業界全体でニュースパブリッシャーすべてに対して、今後も大きな課題や変動が待っていることは明らかだ。我々は財務上のサステナビリティを維持するための明確な戦略を持っている」とガーディアン・メディア・グループ(Guardian Media Group)の広報担当者は述べた。

英DIGIDAYは、業界関係者、広告バイヤー、そして現従業員や元従業員とのインタビューを通じて、新しく就任するCEOがどのような課題に直面するか、考察した。

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最終更新:2019/12/5(木) 17:01
DIGIDAY[日本版]

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