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黒江透修&土井正三「V9巨人の名バイプレーヤーが魅せた二遊間の職人芸」/プロ野球20世紀の男たち

2019/12/5(木) 11:05配信

週刊ベースボールONLINE

日本シリーズで真価を発揮

 黒江は68年に背番号を5へ変更。1年目から背番号6だった土井と背番号でも並んだ。1年目の日本シリーズからV9の幕開けを呼び込んだ土井だが、黒江も土井も、日本シリーズの活躍は名バイプレーヤーの枠にとどまらない。守備では72年の阪急との日本シリーズ第4戦(西宮)でバントのシフトを拒否したことで併殺を完成させたこともあった。

 もちろん、守備だけの男たちでもない。69年の阪急との日本シリーズでは、第4戦(後楽園)で一走の王と重盗を仕掛け、三走の土井は捕手の岡村浩二にブロックされながらも本塁を陥れた。ただ、この判定に岡村が抗議して退場になる騒動に発展。翌朝の新聞に本塁を踏む土井の写真が掲載され、あらためて巧みな走塁技術がクローズアップされた。

 翌70年のロッテとの日本シリーズでは、黒江が第1戦(後楽園)の延長11回裏にサヨナラ弾、第5戦(東京)では4打数4安打3打点でV6を呼び込んで、MVPこそ長嶋に譲ったものの、優秀選手賞を獲得している。打撃ではパワーに欠けた黒江だったが、勝負強さは抜群で、打ち始めたら止まらないのも特徴だった。一方、土井の打撃でトレードマークといえるのが犠打。打率3割を超えたことは1度もないが、

「打てる自信があるときでも、やっぱり(サインは)バントなんです(笑)。自由に打てば、もっといい成績も出せたと思います」(土井)

 とプライドをのぞかせる。黒江はV9が途切れた74年、土井はリーグ3連覇がならなかった78年がラストイヤー。ともに将来の巨人を指導者として託されての現役引退だった。

写真=BBM

週刊ベースボール

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最終更新:2019/12/5(木) 11:05
週刊ベースボールONLINE

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