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なぜ政府は副業を推進するのか

2019/12/5(木) 7:31配信

日本の人事部

日本で「副業」が注目されだしたのは、2008年のリーマンショック以降、企業が従業員に給料を満足に支払えなくなった、事業自体がうまく回らなくなった、という事態が起こってからだとされています。

近年では、ICTの発展やワーク・ライフ・バランスの広まりとともに「働き方改革」が進み、その一環として「副業」を認める企業が増えてきました。フリーランスとして働く人も多くなっています。このような本業以外の仕事について、整理していきます。

副業・兼業・フリーランスという働き方

「副業」は本業以外の仕事のことを意味します。「兼業」は、副業とほとんど同じ意味ですが、副業よりもさらに本格的なものを指します。また「フリーランス」とは、個人事業主として複数の企業と契約を交わし、対価を得る働き方をいいます。政府の報告書によれば、現在、日本では約300~340万人ものフリーランサーがいるといわれています。

政府が、副業や兼業、フリーランスという働き方を推奨する方向に舵を切ったのは、ICTの発展によって、仕事の内容が今後大きく変わることが予測されるからです。フリーランスや副業という就業形態を認めなかった場合、人材の流動性は低くなり、今の仕事をしながら新しいことに挑戦することができなくなってしまいます。政府には、人々にできるだけ新しい技術をキャッチアップしてもらい、挑戦できる社会を創るという意図があるのです。

労働時間の管理に関する最近の考え方

フリーランスや副業の推進の背景には、労働時間管理の考え方が変わってきたこともあります。

かつて労働者には、私生活を犠牲にして企業に貢献する、という考え方が強い傾向がありました。しかし、最近では労働者の健康やワーク・ライフ・バランスの注目高まり、心身ともに健全な生活を送ることが人々の目標になりつつあります。フレックスタイム制や裁量労働制を導入している企業が増えていることは、労働時間管理の考え方が会社主体から個人主体へと変化していることの象徴といえます。

副業をするにあたって、問題となりやすいのは労働時間の把握です。残業があっても1日の平均労働時間を8時間にしなくてはならないドイツや、1週35時間の法定労働時間が決まっているフランスなどと比べ、日本は残業などを含めると法律で許容される労働時間が長いという問題があります。その環境下で、副業をすると、さらに労働時間が長くなってしまいます。そのため、政府の報告書によると、今後は労働者の時間管理方法やストレスチェックなどの体制が、自由な働き方に適応できるよう整備を目指しているようです。

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最終更新:2019/12/5(木) 7:31
日本の人事部

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