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【2019総括・ロッテ】CSは逃すも若手投手が続々成長! 鈴木に代わるチームリーダー台頭が待たれる

2019/12/5(木) 6:00配信

THE DIGEST

●収穫と誤算

 今季パ・リーグ4位に終わったロッテ。開幕当初から投打ともに誤算の連続だった。

 先発ローテ-ションの中心となるべき存在だった石川歩とボルシンガーが、開幕2カード目に相次いで故障離脱。涌井秀章を含めた先発3本柱がいずれも怪我と不振で、思うように勝ち星を積み重ねることができなかった。

 打線では、昨季ブレイクして4番に座った井上晴哉が、開幕28打数1安打と極度の不振でファーム再調整。その後も角中勝也、藤岡裕大、田村龍弘ら主力の故障が相次ぎ、なかなか戦力が整わない苦しいシーズンが続いた。

 しかしそんなチーム状況の中、投手陣には若い力が台頭した。

 高卒3年目の種市篤暉がリリーフでの開幕一軍を勝ち取ると、4月29日の楽天戦で今季初先発を任されてプロ初勝利。最終的にはチーム最多タイの8勝を挙げた。2度の手術を乗り越えた5年目・岩下大輝が5勝、昨季4勝に終わったエース候補の二木康太が7勝。その他、ルーキー左腕・小島和哉も3勝を挙げるなど、20代前半の若手投手たちが先発枠をいい形で取り合うことで、“競争”が生まれた。

 リリーフ陣は「ダメでも使っていかないと育たない」という、首脳陣の強い信念のもと、社会人4年目の東條大樹や、3年目の酒居知史がシーズン通してさまざまな場面で登板。特に東條は、開幕当初はビハインドのロングリリーフだったが、シーズン中盤以降は重要なポジションを任されるまでになった。

投手コーチの信念を垣間見たゲーム

●2019年を象徴する試合
6月13日/ロッテ3-1DeNA/ZOZOマリン
D|000 010 000|1
ロ|210 000 00X|3
[勝]種市篤暉(4-1-0)
[敗]阪口皓亮(0-1-0)
[S]益田直也(2-4-13)
[本]DeNA:ソト(3)

「育てながら勝つ」信念を強く感じた試合だった。

 3対1と2点リードで迎えた8回、今年から投手陣を預かる吉井理人ピッチングコーチは、前日の8回に勝ち越し打を許した酒居を連投でマウンドに送った。今季はリリーフ専任となった酒居は、この時期にはセットアップを任されていたものの、5月29日の日本ハム戦でも8回に3失点して敗戦投手になるなど不安定な状態であった。

 しかし、首脳陣はその酒居を「リリーバーは(失点した後の試合で)すぐに行きたいものだ。打たれたからといって、それで止めてしまうとそのままダメになってしまう」と躊躇なく起用した。「目先の1勝」ではなく、チームの底上げと個々の投手の将来を見据えた起用を貫いた。

 結果、酒居は見事に抑えてチームは勝利。この日は、チームの投手起用の方向性を明確に示した試合として、深く印象に残っている。

●来季のキーマン
中村奨吾

 来季の投手陣は楽しみな選手が多くなる一方、課題は攻撃陣だ。キーマンになってくるのは、中村奨吾だろう。

 今季の成績は、本塁打こそ17本と昨季から倍増したものの、打率.232、出塁率.317、12盗塁数は前年から大きく悪化。鈴木大地の楽天への移籍が決まり、新たなチームリーダーとしての振る舞いも求められている。

”BRAVE MAN(勇者)”--中村奨吾の復活は、来季のロッテを大きく左右する重要なポイントだ。

 また、ホームランラグーンの新設やレアードの加入で本塁打数と得点は増加した一方で、勝率5割にもAクラスにもあと一歩届かなかった。

 大いなる可能性を見せつけた投手陣のさらなる飛躍と、勝利に直結する得点力の向上。勝負の3年目となる井口資仁監督にとって、攻撃陣の底上げがとりわけ来季への大きな課題となってくるはずだ。

文●岩国誠(フリーライター/映像ディレクターほか)

【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。元々はプロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。8年前から5年間、SNSなどでの球団公式映像やパ・リーグTVでの制作・配信を経験。その縁から昨年より、フリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。

最終更新:2019/12/5(木) 14:34
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