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「自己肯定感」でキャリア充実 評価の物差しは自分で作る

2019/12/5(木) 17:41配信

NIKKEI STYLE

反省を怠り無責任を許す態度はNG

「評価」と「人格」を切り離すにあたって気をつけたいのは、反省を怠り無責任を許す態度だ。望んだ結果が出なかった事実はきちんと受け止めつつ、そこに自分の全人格を投影しない。自分にはまだ成長余地があると希望的に考えて、失敗を次の成長に生かすという気持ちの切り替えができれば、必要以上にモチベーションが下がることはない。

一方、評価と自己肯定感を関連付けてしまうと、奇妙な「パブロフの犬」的な現象も引き起こしかねない。プラスの評価が自信や達成感を呼び覚ますような習慣づけに浸ってしまった結果、常に満足が得られず、評価を獲得してもすぐ次の評価を求めてしまうようになる。ついには、評価の得やすい目標を選ぶようになり、本来の望ましい目標よりも、目先の評価目当てに血道を上げる態度に走っていく。「評価は確かに気持ちを盛り上げてくれるが、自己肯定感と安直にひもづけるのは危険な行為」と工藤氏は注意を促す。「うまくいかなかった場合、自分を認めにくくなってしまいメンタル面でダメージを負うリスクも無視できない」という。

物差しの置き方にも気を配りたい。高校ぐらいまでは学期末成績や模擬試験点数などの比較的分かりやすい評価基準が用意されている。勉強を頑張った結果、点数が伸びたといった成長を実感しやすい仕組みだ。しかし勤め始めると、目に見える物差しは見つかりにくい。投入したエネルギーと得られた成果の相関はあやふやになりがちだ。不本意な結果で自己肯定感が揺さぶられやすくもなる。移り気な顧客の判断といった理不尽とも思える理由がかかわってくれば、なおさら納得が難しくなる。「TOEICのような数字の物差しはむしろまれで、仕事の成果は実感が難しい。自己肯定感を保っていかないと目先の結果でへこんでしまう」と、工藤氏は働き始めの時期の心理を読み解く。

自己肯定感を保つうえで工藤氏が勧める方法の一つが「勝ち負け意識を薄める」という態度だ。課長ポストへの昇進を同期と競った結果、同期が選ばれたような場合でも、「自分は負けた」としょげないほうがいいという。その時点で求められていたキャラクターや条件に、たまたま同期のほうが近かっただけであり自分が丸ごと「劣っている」と判定されたわけではない。職歴や経験値、出身地など、様々な要因が選考を左右した可能性がある。「出世を逃した」のではなく、「別のチャンスをもらった」ととらえ直せば、「出世レースから脱落した」という敗者意識に陥るのを避けやすくなる。

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最終更新:2019/12/5(木) 17:41
NIKKEI STYLE

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