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「自己肯定感」でキャリア充実 評価の物差しは自分で作る

2019/12/5(木) 17:41配信

NIKKEI STYLE

「キープ・イン・タッチ感」で部下と接する

多面的なものの見方は、自己肯定感を保つのに有益だ。単一の物差しや評価基準を、自分に押し当てない態度ともいえるだろう。短所ばかりを見ないで、自分の長所を、自分でポジティブに認める姿勢でもある。こういった人の見方は、「プライベートな人間関係づくりにも役立つ」と工藤氏は説く。様々な長所と短所を併せ持つ自分のイメージをしっかり持てると、友人やパートナーとの間でも接し方にリスペクトとゆとりが生まれやすい。「自分だけを愛するのは、いびつな偽りの自己愛。自分と同じように周りの長所も短所も認めるのが本当の自己愛」だという。

上司と部下の間では、しばしば感情のすれ違いが起きる。工藤氏のみるところでは、部下の自己肯定感に目配りをした接し方かどうかで、上司への信頼感は大きく変わってくるという。「成果だけを褒める」というのは上司が犯しがちなミスの一つだ。無意識のうちに上司は部下の出した結果部分を評価するようになっている。しかし、毎日のように好結果が出るわけではないから、褒めてもらえない部下は見捨てられたような気持ちに陥りやすい。「結果の有無にとらわれず、チャレンジや努力、参加などを認めて声を掛けていかないと部下との絆が希薄になってしまう。結果だけを期待されていると部下が感じれば、上司との間柄は冷え込んでしまう」(工藤氏)

とりわけ、部下が失敗した場合の接し方には気遣いが求められる。「なぜこんな結果になったんだ。努力が足りない」と怒鳴りつけるのは論外。放置も好ましくない。工藤氏が勧めるのは、傷ついた部下に寄り添う態度だ。「あれだけ資料づくりに工夫したことを知っているだけに、自分も残念でならない」「くやしいよな。頑張ってたからな」などと、出た結果そのものではなく、そこに至るプロセスを認める共感のまなざしは、部下が過度に傷つくのを防ぐ効果があるという。やみくもに甘やかすのは避けながら、「ずっと気に掛けている」というキープ・イン・タッチ感を伝えるのが肝心だ。

「自己肯定感が大事」という意識が広がってきた半面、安易なほめそやし、おべんちゃら的な危うい「誤用」も散見されるという。工藤氏が警戒するのは、目的を達成するための「エンジン」として、自己肯定感を援用するような姿勢だ。「子供の勉強ができるようになるためには自己肯定感を高めていくのが効果的」といったとらえ方が一例。工藤氏は「間違った方向づけだ。いい学校に入れるためといった引き寄せ方は危うい」と注意を求める。

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最終更新:2019/12/5(木) 17:41
NIKKEI STYLE

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