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「実験販売で品切れの危険」ローソン「バスチー」女性担当者の打った手は

2019/12/5(木) 10:00配信

日経doors

発売3日間で100万食、累計3200万食という、プレミアムロールケーキを超える勢いで大ヒット。コンビニスイーツファンに支持されているのが、ローソンのバスク風チーズケーキ「バスチー」だ。ヒット商品の完成までの道筋について聞いた前回に続いて、発売後のヒット継続の理由を、ローソンの中食商品本部シニアマーチャンダイザーの東條仁美さんに話してもらった。

【関連画像】ローソンの中食商品本部シニアマーチャンダイザーの東條仁美さん。「実験販売でヒットを確信しました」

(上)ローソンのスイーツ「バスチー」 3日で100万個販売

(下)過去最大の量産体制でも品薄に 新スイーツ「バスチー」定番化のワケ ←今回はここ

●予想を超える売り上げ 急ピッチで2社供給体制を確保

 原料や配合、焼き方の調整や、工場生産のクオリティー確保を経て、ついに完成したバスチー。2019年3月後半の発売を控えて、東條仁美さんは2月初旬に、一度目の試験販売を実施した。その目的は、市場の反応を見ること。「商品のおいしさに自信はありましたが、やっぱりまだ、これまでなかなか定番商品として定着しなかったチーズケーキの新商品を不安視する声もありました。実験販売の結果で社内を安心させたかった」と東條さんは言う。

 エリア限定で行った実験販売の結果は、2009年に発売して大ヒットしたプレミアムロールケーキを上回る売れ行き。用意した商品はほぼ完売した。2月下旬の2回目の実験販売では価格の受容性を判断するため、195円、215円、245円という3段階の値段に分けて販売。コンビニスイーツの価格帯は100円台が主流だが、バスチーは200円を超えても売れた。「200円台でも大丈夫だと確信しました。245円でも買っていただけたんですが、コンビニの他の商品との買い合わせや、リピート率を考えて215円に決定しました」

実験販売で「不足する」と危機感

 実験販売の予想以上の反響を受けて、東條さんは生産工場を増やすことを決定。これまでローソンのスイーツはエリアごとに1社の生産工場が供給していたが、初めての2社体制を試みた。「実験販売の結果を受けて、『1社じゃ足りない!』と急きょ決定しました」。ただ、発売直前に工場を増やすことには懸念もあった。「2社体制は初めての試み。同じ原料と製法の製品でも、工場の見解ややり方の違いで味が変わってしまう不安もありました。けれど、実験販売の結果を受けて売れることを確信しましたし、このままでは足りなくなるという危機感から、思い切って2社体制としました」

 東條さんは、バスチーのレシピを新工場に開示して、品質調整を急ピッチで進めた。発売後に原料が不足するという懸念もあった。「特にチーズの調達に2カ月ほどかかるので、大特急で調整して、供給体制を万全にしました」と振り返る。

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最終更新:2019/12/5(木) 10:00
日経doors

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