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相続の制度改正 損しないために知っておきたい新ルール

2019/12/6(金) 16:00配信

マネーポストWEB

 令和の時代に突入し、マネー環境が激変している。今年、約40年ぶりに相続に関する民法が改正され、これまでよりも妻に有利な新ルールがぐっと増えた。「夢相続」代表取締役で相続実務士の曽根恵子さんが説明する。

「自宅を相続する場合、来年4月以降は“所有するだけ(所有権)”だったのが、配偶者は“ずっと住んでいていい(配偶者居住権)”ことになります。さらに、自宅を遺産総額に換算しなくて済むので、より多くの遺産を受け取ることができるようになりました」(曽根さん。以下「」内同)

 たとえば子供2人の夫婦で、夫が8000万円相当の自宅と4000万円の現金を残して亡くなった場合、従来は計1億2000万円の半分を子供2人に渡すため、自宅を売却して資金を作らざるを得なかった。それが、妻は自宅に住み続けながら、現金4000万円の半分を子供に分割するだけでよくなる。遺産分割のために、家を失う心配がなくなるのだ。

 さらに、義父の介護をしてきた嫁など、これまで相続権がなかった親族も、貢献度に応じた「特別寄与料」が請求できるようになった。

「要介護度や介護期間などの明確なルールは決まっていないので、家族間で合意が得られるならば、どう分けてもいいことになりました。生前に相続人を交えて決めておいたり、介護の記録をノートにまとめて共有しておいたりすれば、揉めずに済みます。いちばん確実なのは、遺言書にしておいてもらうことでしょう」

 今年1月からは、「全文手書き」が義務付けられていた遺言書や財産目録の作成も簡単になった。

「『文字が読めないと無効』など、何かと面倒だった財産目録ですが、パソコンでの作成が可能となりました。預貯金口座も通帳のコピーでよく、署名と捺印さえあれば有効」

 遺言書は自署が必要だが、来年7月から法務局で預かってもらえるようになるので、改ざんなどの心配がなくなり、これまで必要だった家庭裁判所での検認手続きもなくなる。

以前は亡くなった人の口座は凍結され、遺産分割協議が終わるまでお金をおろせなかったのが、相続人ひとりの申請で法定割合の3分の1かつ金融機関1行につき150万円まで引き出すことができるようになった。

「葬儀費用や病院・施設の代金など当座の支払いに充当できるので、残された家族の負担も大きく減ります」

 新しくなった相続ルールを充分に把握し、少しでも損をしないようにしたい。

※女性セブン2019年12月5・12日号

最終更新:2019/12/6(金) 16:00
マネーポストWEB

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