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創業期に大手の買収提案を拒み、働き手の半数以上が去る――オウケイウェイヴの兼元謙任 取締役・会長に聞く

2019/12/6(金) 12:48配信

日経BizGate

頭に血がのぼって買収提案を一蹴

 会社の経営は山あり谷あり、波乱の連続である。谷底が見えるほどの崖っぷちに立ったとき、経営者はどう考え・行動したのか。今回は、オウケイウェイヴの兼元謙任 取締役・会長に聞いた。

 「潰されるか、下請けになるか、一緒になるか。君たちにはそれしか選択肢はないんじゃないの?」――。兼元謙任氏は、会社のオフィスに来訪した、大手ネット企業 経営企画担当者のセリフに耳を疑った。

 同氏が2000年に立ち上げた日本初のQ&Aサイト「OKWAVE(当時の名称は「OKWebコミュニティ」)」が注目を集めたころのことだ。

 「OKWAVE」は利用者こそ増えていたが、会社は赤字が続いていた。そんなとき、大手ネット企業の担当者が、Q&Aサイトを構築するため、兼元氏と社員・アルバイトが十数人いるだけの手狭なオフィスを訪問するという。兼元氏は、出資の話だと思い、財務諸表を用意して担当者を心待ちにした。

 しかし、オフィスの現れた大手ネット企業の担当者の言動は、兼元氏が想像しなかったものだった。担当者は、椅子から足を投げ出し、ホワイトボードに、前述した三つの選択肢を示し、いきなり判断を迫ったのである。

 兼元氏の頭に瞬く間に血がのぼった。「えー、この人は、何を勘違いしているの?」。そして言い放った。「もういいですから帰ってください!」。兼元氏は自覚しなかったが、その様子を近くで見ていた人から、同氏のこめかみから血が出たように感じたほどの剣幕だったと、あとで知らされたという。

 会社はこの兼元氏の決断に大きく揺れた。大手がいずれ同じサービスを立ち上げて競合するというプレッシャーを兼元氏は感じたが、それは現場で働く人々も同様だった。翌日から、会社を離れる者が続々と現れ、業務は滞った。最後は半数以上が会社を去ったという。

 「もちろん引き留めましたが、大手が参入すればこの会社はつぶれるから、もういられないと言われました。もう一つ、あの場で即答しないで相談してほしかったとも言われました。これは今でも反省しています」(兼元氏)

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最終更新:2019/12/6(金) 14:55
日経BizGate

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