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【ヒットの法則75】アルファ147 1.6ツインスパークには本来持つ「素」の良さが輝いていた

2019/12/6(金) 12:01配信

Webモーターマガジン

アルファ147の日本仕様全グレード中、ベストバランスと言える

2004年にイタリアでフェイスリフトされ、2005年3月に日本に導入されたアルファ147。デザインを大きく一新したことでも市場を驚かせたが、ここではその147のベーシックモデル「1.6ツインスパーク」を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年9月号より)

【写真】リアビューやインパネ、ツインスパークエンジンを見る

単にカオとオシリが変わっただけ(あと内装の一部)、という見方もできる。2.0ツインスパークのような、コンフォートサスペンションという注目すべき要素もない。例のツリ目フェイスとメッキガーニッシュの入ったリアデザインになっただけ。ホイールだって従来の1.6と変わらないのだから。全長が若干伸びただけでスペックも同じ。装備だって基本、前のと一緒だ。

が、しかし。だからと言って語ることがないのかというと、そうでもない。そこは、さすがアルファロメオと言いたい。

「1.6ツインスパーク」は、1.6Lのツインスパークエンジンを積む、日本市場においては最廉価グレードという位置づけ。VDCやMSR、ブレーキアシストといった電子デバイスを積まず、ノーマルのアシに15インチタイヤ、5速マニュアルミッションという組み合わせには、ラテン車好きを引き込んでやまない「スタンダードの匂い」が立ちこめている。

インテリアだって飾り気のないアルファテックス。今回からレザーシートのオプション設定すらなくなっている。素の良さを知るにはますます、これしかないというわけだ。

フェイスリフトで加わった2.0ツインスパークのコンフォートサスペンションモデルは確かに良かった。街乗りと高速走行時のマナーが格段に「フツウ」になり、しかもロールをめいっぱい楽しむ系のハンドリングは、それなりに楽しいと思えるものだった。

つまり、走って楽しめるという147の良き資質はコンフォートサスペンションとなっても、しっかり残っていた。そして、だからといって、これまでのものがダメだったかというと、そうではないということを、1.6Lモデルが改めて教えてくれたのだ。スタンダードな仕様の1.6に乗ると、これはこれで良かったな、という気にさせてくれるから、ラテンスモールのは面白い。

タイヤサイズが15インチ、それも60扁平ということもあって、荒れた路面でないかぎり、街中の硬さも随分抑えられているし、多少入力を強めに感じてもそれほど不快には思わないレベルなのだ。
ギアチェンジをこまめに行った方が楽しいから、そちらに神経がとられがちで、多少の乗り心地の悪さがあってもシコリを残さない。それをカジュアルな楽しさと捉えて評価させてしまうところも、ラテンスモールの得な点だ。

1.6Lツインスパークエンジンのパワーは、このサイズならば十分である。アクセルペダルが思う存分に踏めて、なおかつ電子制御の手助けがいらないから、クルマに乗るということ、アルファロメオを駆ることのプリミティヴな面白さを体験できる。

そして、ここが最も重要な点だが、性能と価格を考慮して、アルファロメオとして楽しめたかどうか、という観点からすると、147の日本仕様全グレード中、ベストバランスだと言っておきたい。これは従来から変わらない判断で、上級グレードがコンフォートになった今となってはなおさらに、147の素の価値が変わらずこの1.6ツインスパークには宿っていると思う。(文:西川 淳/Motor Magazine 2005年9月号より)

アルファロメオ アルファ147 1.6ツインスパーク(2005年)主要諸元

・全長×全幅×全高:4225×1730×1450mm
・ホイールベース:2545mm
・車両重量:1240kg
・エンジン:直4DOHC
・排気量:1596cc
・最高出力:120ps/6200rpm
・最大トルク:146Nm/4200rpm
・トランスミッション:5速MT
・駆動方式:FF
・車両価格:257万2500円(2005年当時)

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最終更新:2019/12/6(金) 12:01
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