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義理と人情のフリーランス道 成否を決するは「会社の辞め方」にあり

2019/12/6(金) 8:10配信

NIKKEI STYLE

《連載》フロンティアの旗手たち フリーランスの仕事術(1) メディアアーティスト 市原えつこ

次代を担う「旗手」は何を感じ、何を考えているのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、ビジネスパーソンにも役立つイチオシの「キーオピニオンリーダー」が執筆した記事を紹介します。第1回はメディアアーティストの市原えつこさん。大手ネット企業を経て独立した自らの経験から、フリーランスとして活動していくための極意を語ります。

私は現在、フリーランスとして働いていますが、初めからフリーだったわけではありません。2011年に新卒で検索サービスのヤフー(現Zホールディングス)に入社してまる5年お世話になり、16年の春に退職しました。その間は普通に正社員としてフルタイムで働き、在職中の本業はウェブサービスやスマートフォンアプリのUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーでした。会社や仕事に不満があって辞めたわけではなく、むしろ恵まれていた環境でした。

当時のヤフーでは、事前に申請すれば本業に支障のない範囲で副業が認められていたので、12年から16年の4年間は仕事が終わったあとの空き時間を使って、趣味の範囲内で週末作家のように活動する副業生活をしておりました。この副業時代に制作したのが後に自分の代表作となった、新しい弔いのあり方を問う「デジタルシャーマン・プロジェクト」でした。その後、私個人宛てのオファーが徐々に舞い込むようになり、ついには副業としてやっていた作家業に本業として専念すべく独立して今に至っております。

■早い時期から様々な経験が積める

副業時代を振り返ると、メリットもデメリットも両方ありました。まず、社会人として早い時期から様々な経験が積めるのは、単純作業も多い下積み期間に腐らなくてすむ点でよいと思います。規模の大きな組織だと特にそうだと思いますが、新入社員が入社してすぐに裁量を持ってプロジェクトを推進できるとは限りません。でも、個人としてなら小さな規模でプロジェクトを立ち上げて推進することが可能です。

そうすることで自分の力をくすぶらせず、また様々な業種の人と関わり経験を積めるのはメリットでした。ある意味、自主的なOJT(職場内訓練)ともいえます。さらに、いつも順風満帆とは限らない勤め人生活にあって精神的な逃げ場があるのも救いになりました。また、本業で安定した給与所得があるので、もうかるかどうかは度外視で純粋にやりたいことができるのも良かった点です。

一方で、副業には「闇」の部分があるのも確か。一つは副業だとどうしても細切れ時間での中途半端なコミットになってしまうし、本業にも全く支障が出ないわけではなく、一挙両得のようで実は両方中途半端に陥ってしまう懸念もあります。だからいつまでたっても「副業」にしているのは長期的にみるとよろしくなく、ある一定ラインからいずれかに対して本業としてフルコミットした方が伸びが大きいと感じます。

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最終更新:2019/12/6(金) 12:42
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