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「シュプリーム」の元ディレクター、アンジェロ・バク 「平凡な10型のTシャツより、喉から手が出る3型のTシャツを作る方がクールだろ?」

2019/12/6(金) 11:43配信

WWD JAPAN.com

 世界中にストリートブランドは数あれど、1994年にジェームス・ジェビア(James Jebbia)が立ち上げた「シュプリーム(SUPREME)」を超えるストリートアイコンはいまやないだろう。そんな世界トップのブランドをディレクターとして率いた経験を持つアンジェロ・バク(Angelo Baque)が主宰するブランドが、「アウェイク ニューヨーク(AWAKE NY)」だ。

「シュプリーム」の元ディレクター、アンジェロ・バク 「平凡な10型のTシャツより、喉から手が出る3型のTシャツを作る方がクールだろ?」

 「アウェイク ニューヨーク」はその名の通り、2012年にニューヨークで立ち上がったストリートブランドで、インスピレーション源はバクが住んでいたアッパー・ウエスト・サイド地区におけるさまざまなカルチャー。現地のカルチャーとムードにバクの感性をミックスしたアイテムは、ストリートとスポーツの絶妙なバランス感を持ちながら洗練された雰囲気があり、感度の高い人々から支持を集めている。

 10月、「アウェイク」と「カッパ(KAPPA)」のコラボコレクションがドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA以下、DSMG)で世界先行販売されるタイミングで、バクが久々の来日を果たした。「アウェイク ニューヨーク」についてはもちろん、表に立たず影の立役者として時代を築き上げた「シュプリーム」から離れた理由、そして世界を熱狂させた「シュプリーム」と「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の歴史的協業の渦中にいた彼だからこそ思うコラボが蔓延する現在のファッションシーンについて話を聞いた。

WWD:「アウェイク ニューヨーク」を立ち上げた経緯から教えてください。

バク:「シュプリーム」で働いていたときにサイドプロジェクトとして始めたんだが、動機は単純で欲しいけど見つからない洋服を自分で作ろうと思ったから。その頃の俺は「シュプリーム」はもちろんだけど「アーペーセー(A.P.C.)」も着るようになったり、心境やスタイルに変化が表れ始めていた頃だったんだ。

WWD:では、もともとは自分のためのブランドだったということでしょうか?

バク:最初は自分のことだけを考えて立ち上げたけど、今は着てくれるみんなのためーー特に若者やスケーターに向けて作っている。当初はロゴをあしらったシンプルなものを中心に作っていたが、最近は俺のルーツの1つでもあるグラフィックにフォーカスしたアイテムも出すようになったよ。

WWD:ブランド名の由来は?

バク:「AWAKE」という単語を雑誌で見かけて、そこに「NEW YORK」を足しただけ。なんの雑誌だったかは覚えていないんだ。

WWD:ロゴにストリートブランドであまり見られない飾りのあるスクリプト書体(筆記体)を採用していますが、その理由は?

バク:どこか洗練されている感じにしたかったし、1980年代の本のタイトルみたいな見た目にしたくてね。俺はマンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドに13~14年くらい住んでいて、その間にスタイルや音楽などいろんなことに大きな影響を受けた。それで俺に関する物語の本がもしあったとしたら、その本のタイトルはどんな見た目で、フォントやタイポグラフィーはどんなものになるだろうかと考えたんだ。

WWD:自分の原体験をもとにデザインしたんですね。

バク:その通り!ロゴは友だちと一緒にデザインしたよ。このロゴを見れば、メトロポリタン美術館だったりカッツ・デリカテッセン(Katz's Delicatessen)だったり、いかにもニューヨークという場所を思い出す、そういうものにしたかったのさ。

WWD:ファッションスクールでデザインを学んだ経験は?

バク:通ってはいたけど中退したし、写真学科だったよ。だから「シュプリーム」でも画作りを担当していたのさ。

WWD:先ほどグラフィックがルーツの1つと話していましたが、あなたにとって洋服にグラフィックを落とし込むというのはどんな意味なんでしょうか?

バク:インテリジェンス(知性)のあるものにしたいから。というのも、「シュプリーム」で学んだことの1つに、“キッズのインテリジェンスを過小評価するな”というのがある。俺は1990年代初頭のファッションにとても影響を受けているんだが、最近はそういったストリートウエアが無くなってきていると思っているんだ。分かりやすく言い換えると、“服を教育のプラットフォームとして使う手法”がなくなってしまっているということ。クールな服であると同時に、そこから情報を得ることができたり教育的な効果があるものにしたいという意味を込めているんだ。

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最終更新:2019/12/6(金) 11:43
WWD JAPAN.com

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