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相続トラブルを防ぎつつ「孫にごっそり遺産を渡す」方法

2019/12/6(金) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続が発生してからの「相続税対策」は打つ手が限られますので、事前の対策が重要です。相続税専門の税理士法人チェスター監修の本連載では、具体的な相続税対策について分かりやすく解説していきます。

孫に遺産を相続させることができる3つの方法

終活をするにあたり、「かわいい孫に資産を渡したい」と考える人も多いでしょう。しかし、孫に財産を相続させるためには、一定の条件があります。これらに関わる法律を理解しておかないと、承継が難しくなり、また相続できたとしても、無駄な税金が発生しかねません。

何より、孫に財産を相続させるということは、「ほかの相続人の相続分が減ってしまう」ことを意味しています。相続争いの火種になる可能性もありますので、そういった対策も必要となります。

そこで本記事では、孫に財産を相続させるための具体的な3つの方法と、その注意点について解説していきます。

◆孫に財産を相続させる具体的な方法

通常、遺産を相続できるのは、民法で定められた法定相続人のみです。子が存命している場合、孫は法定相続人にならないため、遺産を相続できません。しかし、下記3つのケースのいずれかに当てはまる場合には、孫に財産を相続させることが可能となります。

(1) 遺言書を作成する

最も手軽な方法は、遺言書を作成し、「孫に財産を相続させる」という旨を記述しておくことです。

民法では、遺産を受け取れる法定相続人が定めてられています。しかし、本人の生前の意思を尊重する意味から、遺言書があれば原則としてその内容が最優先されます。

遺言書の作成方法として一般的なのは、自分でノート等に書く「自筆証書遺言」と、公証役場で作成する「公正証書遺言」の2つです。市販書籍を参考にし、自分で作成することもできますが、法的に問題のない遺言書を用意したいのなら、公正証書遺言を作成するべきでしょう。

公証役場へ直接相談しに行ってもいいですし、弁護士や司法書士といった専門家に相談しながら、内容を決めて作成することも可能です※。

※ 自筆証書遺言も、民法の改正により保管制度など法的に有効な遺言書を残すための制度が新設されています。

(2) 養子縁組をする

孫にできるだけ多く財産を相続させたい場合や、相続税対策も併せて行いたい場合は、孫と養子縁組をする方法があります。養子縁組をすれば実子と同様の立場となりますので、遺言書がなくても、法定相続分通りの割合で財産を受け取ることができるのです。

手続きは難しくありません。市区町村役場で申請書を受け取り、養親と養子になるものがそれぞれサインをし、証人2名が署名することで可能となります。ただし養子縁組をすると、名字が変わってしまったり、戸籍内容が変更したりすることもありますので、孫の意思も尊重しつつ、慎重に進めていきましょう。

(3) 代襲相続をする

こちらは方法論ではなく、相続開始時点、すでに「代襲相続」の状態であった場合、孫が遺産を相続できるというものです。

代襲相続とは、親よりも子が先に亡くなった際、子の法定相続人の立場を孫が引き継ぐ相続のことです。例でみてみましょう。

【例】

一郎さん(80歳)の1人息子・和夫さん(50歳)が、ガンによって早逝されたとします。一郎さんの妻はすでに他界しており、和夫さんには、2人の子ども(美紀さんと隼人さん)がいました。

仮に和夫さんが生きていれば、一郎さんが亡くなった時の法定相続人は和夫さん1人でした。しかし一郎さんより和夫さんが先に亡くなってしまったために、一郎さんの相続人がいなくなってしまいました。

そこで登場するのが代襲相続の制度です。孫である美紀さんと隼人さんが、和夫さんの立場を引き継いで、相続人となるのです。

代襲相続は、孫よりも先に子どもが亡くなっていたとき、自動的に孫が相続できる制度です。子どもが生きている状況のなかで、確実に孫へ財産を相続させたいのであれば、遺言書作成や養子縁組を検討するとよいでしょう。

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最終更新:2019/12/27(金) 19:24
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