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BiSHサウンドを作り出すSCRAMBLESが新スタジオ開設、松隈ケンタの狙いとは?

2019/12/6(金) 18:00配信

Rolling Stone Japan

松隈ケンタ率いる音楽クリエイターチーム「SCRAMBLES」が、2019年12月5日、新スタジオを下北沢茶沢通り沿いにオープンさせた。スタジオの場所は、銀杏BOYZや[ALEXANDROS]など、数多くのアーティストを輩出してきた名門音楽事務所「UKプロジェクト」のオフィス跡地。BiSHをはじめとしたWACKグループ、井上苑子、KAT-TUNなど、幅広いアーティストたちの楽曲制作を行っている「SCRAMBLES」がロックの聖地に立てた新スタジオとはどんな施設なのか。松隈ケンタに案内してもらいながら、スタジオについて説明してもらった。

「音楽の下地がある街という点が重要でした。福岡のオフィスも、ライブハウスがいっぱいある音楽の街・親不孝通りに作ったんです。東京のスタジオに関しては、UKプロジェクトの跡地ということで、機運とか音楽の歴史が詰まっている。そういう流れを受け継ぎつつ、やれたら一番いいかなと思っています」

本スタジオを作るにあたって、一番重視したのは「機能性」だと松隈は語る。

「昔のスタジオは何億円もする大きな卓が目玉だったけど、今の時代、パソコンで処理できるようになったので、いらないものは完全に省きました。ただ、スピーカーは構造上おそらく100年経っても変わらない。そこで、今回ちゃんとしたものを買おうと、メインスピーカーに、レイオーディオという高級スピーカーを導入しました。このモデルは普通の楽器屋では手に入らないし、他のスタジオにもなかなかないです。それによって、SCRAMBLESにしかない音が出せるし、その音で調整するので他で作っている音と差別化できる。先週、実験がてら、BiSのアルバムの歌録りをしたんです。ラフミックスがあがってきているんですけど、だいぶ変化しています」

楽曲制作からミックス、マスタリングまで全てが完結する有機的な設計

このスタジオがおもしろいのは、「SCRAMBLES」のオフィスが併設されているところだ。13人のクリエイター、エンジニアが机を並べて楽曲制作を行っている。楽曲制作から、録音、ミックス、マスタリングまで、この空間ですべて行うことができる。こうした有機的な設計についても松隈は意識的だ。

「前のスタジオは狭くて愛着があってよかったんですけど、逃げ場がないところがネックになっていて。歌い手さんがのびのび歌える環境が作りたかった。待合場所も別々にあるので、歌い手さんとレーベルの人だったり、お互い気を使わなくていい。これまでの経験でサイズ感も含めかなり考えて作りました。音作りまで含めてSCRAMBLESなので、録った音をすぐに修正したり、ギターのコードを変えることもできる。ここだけで曲作りから発売まで完結できるんです。

それって、時代とはかなり逆行しているんですよ。家で1人のクリエイターが完パケする時代だから。音楽はセンスでやっていると思われがちなんですけど、知識とか技術がすごく大事な時代になっていて、僕たちは技術を重視している。隣の席にいれば、こここうしたほうがいいよってアドバイスをしたり、こんなのが流行っているよとか言い合える。いわばバンドですよね。13人のクリエイターでバンドをやっているみたいな。常に新鮮だし、みんなで成長できるみたいな感じですね」

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最終更新:2019/12/6(金) 18:00
Rolling Stone Japan

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