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JR東駅ナカ自販機サブスクに応募殺到 月980円からお試しも

2019/12/6(金) 6:00配信

日経クロストレンド

 サブスクの波は、自動販売機にまでやってきた。JR東日本ウォータービジネス(東京・品川)が、2019年10月1日より日本初の自販機サブスクリプションサービスの提供を始めた。サービス開始に先立ち利用者を500人募ったところ、募集枠を大きく上回る8800人の応募があったという。

 every pass(エブリーパス)は、JR東日本エリア(関東・東北地方と中部地方の一部、1都16県)の駅構内に約400台設置されている最新型自販機「イノベーション自販機」からドリンクを1日1本受け取れる月額制のサービスだ。商品の受け取りには、専用のスマホアプリを使う。毎日0時に配信されるQRコードを自販機にかざすと、対象商品が“浮き出て”選択することができ、商品を受け取れる。このQRコードは、その日1回限り有効である。

 プランは2つあり、月額980円(税込み、以下同)の「アキュアメイドプラン」は、JR東日本ウォータービジネスのPB(プライベートブランド)「アキュアメイド」の商品が対象。月額2480円の「プレミアムプラン」は、イノベーション自販機で扱う全商品を受け取ることができる。

 1本160円の商品だと仮定すると、7回で元が取れてしまう“破格”のアキュアメイドプランは、お試しの要素が大きく、1カ月限りの利用となる。1カ月利用した後は、上位プランであるプレミアムプランに自動移行する。

 サービスに先立ち19年9月2~16日までの2週間、サービス利用者の募集を行ったところ、2つのプラン合わせた募集枠500人に対し8800人の応募があった。確実にサービスが提供できるよう500人の応募にしたというが、「想像以上の反響だった」(JR東日本ウォータービジネス営業本部宣伝戦略部の藤江亨氏)。980円のプランへの応募が、上位プランより5倍ほど多かったという。

●サブスクを始める理由

 このタイミングでサブスクリプションサービスを提供するのは、消費増税が理由だ。実際には飲料や自販機価格は変わらないものの、「キャッシュレス化が推進されたり、ポイント還元が始まったりするので、消費のトレンドは変わる」(同社イノベーション自販機サービス開発プロジェクトチームリーダーの東野裕太氏)と考えた。

 価格を下げている飲料もあるなか、同社は値下げをあまりしない。そのため一見好立地だと思える駅中だが、他の場所で購入してから電車を利用する人も多く、購入のハードルが高く思われているのだという。「サブスクというサービスを使うことで、(価格面での)ハードルを下げ、当社の自動販売機を知ってもらう、製品の良さを触れてもらえれば」(東野氏)。

 同社のPB商品は、地域性を生かして作られた製品が多く、バラエティーに富む。また、同社は“ブランドミックス機”と呼ばれる、他社の製品も同時にラインアップした自動販売機を10年ほど前から展開している。商品の売れ筋や季節に合ったものを仕入れ、1~2カ月という短いスパンで商品の入れ替えを行っているという。この商品の幅の広さを感じてもらうため、2プランを初めから用意したのだ。

 サブスクであれば1日1本、好きなものを選ぶことができる。そのため、さまざまな飲料を試してみるハードルは比較的下がるだろう。

 サブスクを開始する前に、サービス利用者を募ったことで「需要の高さを感じることができた」(東野氏)ため、今後受け取り率、平均売価、継続率を計測し、会員数や自販機を増やすなど、サービス自体の拡大を検討するという。取得したデータから、時間帯を限定したプランなども考えられるかも知れない。

 慎重にスモールスタートを切った自販機サブスク。飽きられずに、ファンを獲得し、サービス拡大ができるのだろうか。

松野 紗梨

最終更新:2019/12/6(金) 6:00
日経クロストレンド

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