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SUVブランドになった「キャデラック」

2019/12/6(金) 7:00配信

日経ビジネス

 ゼネラルモーターズ・ジャパン(東京・品川、以下GMジャパン)は12月3日、高級車ブランド「キャデラック」の新型SUV(多目的スポーツ車)「XT6」を日本で発表した。3列6人乗りの大型SUVで、価格は税込みで870万円。既に日本でも販売する5人乗りSUV「XT5」の上位モデルだ。若松格社長は「SUVはアメリカで生まれた車。人も荷物も乗せる『キャリーオール』の精神が我々のDNAにある」と、競争の激しいSUVのマーケットで自信を見せた。

【関連画像】SUVのマーケットは輸入車各社に加え、国産車メーカーも力を入れており競争は厳しい。写真はイメージ

 かつてはセダンのイメージが根強かったキャデラック。数年前までは、販売台数の多くをセダン車種が占めていた。だが、市場トレンドの変化に合わせ、SUV車種の拡充に迫られていく。そこで2015年にグローバルで10カ年計画を策定。ブランドの車種ラインアップを見直し、新型SUV車のプラットホーム開発をスタートさせた。

 当時キャデラックのSUVといえば、1999年から販売する「エスカレード」がメインだった。全長5m超の大型SUVで、セレブリティを中心に人気を集めていたが「大き過ぎる」という声も多かったという。そんな中、17年に発売したのが「XT5」だ。居室の快適性を残しながらも街乗りに適したサイズ感を提案した。

 さらに、18年には「ATS」、19年には「CTS」といったセダン車の生産終了を相次いで発表。セダン車種を縮小しポートフォリオ改革を進めている。

 選択と集中は功を奏した。日本では「XT5」が販売台数の約4割を占め、グローバルでもブランドをけん引する最量販車種に成長した。市場環境が冷え込む中国市場でもXT5がヒット。グローバルでの「XT5」の購入者のうち約6割が新規顧客だといい、メインの顧客層も35~50才が中心とユーザーの若返りが進んだ。18年にはグローバルでの販売台数が38万台を超え、1978年以来40年ぶりに過去最高記録を更新。21年には55万台という強気の販売目標を掲げている。

 一方、ドイツ車の人気が根強い日本。輸入車市場は好調であるものの、キャデラックの販売台数は17年に580台、18年に633台と厳しさがうかがえる。アメリカと比べ新型車種の導入時期が遅れるといった事情や、「売れ筋だったセダンのラインアップが無くなったことも響いている」(GMジャパン)。

 SUVのマーケットは輸入車各社に加え、国産車メーカーも力を入れており競争は一層厳しいが、「日本には素晴らしい国産SUV、ミニバンがある。そういったお客様にキャデラックを乗っていただいて、良さを分かってほしい」(若松社長)と語る。今後は、コンパクトSUV「XT4」の発売も控える。「大き過ぎる」イメージから街乗りSUVへとイメチェンを遂げられるかが、日本市場で存在感を示すための鍵となりそうだ。

橋本 真実

最終更新:2019/12/6(金) 7:00
日経ビジネス

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