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30代女医を襲った、3度の“薄毛危機”とは?

2019/12/7(土) 12:08配信

OurAge

「東大医師が教える 最強の育毛革命」(集英社)という本が話題だ。著者である医師の田路(たじ)めぐみさんは、自身も薄毛に悩まされた経験の持ち主。彼女を襲った“3度の薄毛危機”について、ご本人に詳しくつづってもらった。

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男性向け育毛本として執筆した「最強の育毛革命」。
これを、思った以上に女性が手に取って下さっていることにびっくりしています!

それだけ髪に悩んでいらっしゃる女性が多い、ということですよね。分かります! 分かりますよ……何より、私、田路自身がそうでしたから。

実はわたし、3つの薄毛危機を乗り越えてきているんです。

ひとつ目は「鉄欠乏」、
ふたつ目は「ピル内服」、
みっつ目は「ホルモン低下」による薄毛。

そのうち、女性の薄毛では必ずあると言っても過言ではない、「鉄欠乏」についてお話ししましょう。

■“かくれ貧血”にご用心!

生理のある女性ではどうしても鉄が失われやすいですよね。それに、日本人女性では動物性蛋白質の摂取が少ないため、そこに多く含まれる鉄や亜鉛などのミネラルが不足しやすいんです。

わたしの場合はまさにそれ。鉄分の摂取も少なく、生理も重いタイプでした。検査では、一般的な貧血の指標であるヘモグロビンは一応基準値内でしたが、かくれ貧血の指標であるフェリチン(貯蔵鉄)は「検出不能」という、ひどい鉄欠乏になっていたんです!


何をやっても改善しない寒気に加え、洗髪のたびに髪の毛が恐ろしいほど抜けて、「もしかしてこのままはげちゃうの…?」と毎日ため息をついていたのを覚えています。30代後半の頃でした…。

貧血では、動悸・息切れ・めまいなどが起こりますね。
一方、かくれ貧血(潜在鉄欠乏)では代謝が下がり、コラーゲンを作る力が弱くなるため、寒気・疲れやすさ・免疫低下・関節や靭帯の痛み・むくみ・たるみ・肌痩せ・乾燥肌・薄毛などを生じます。まさに、女性に多いお悩みのオンパレード!

けれど、病院や保険診療のドクターが担当するドックでは、フェリチンをチェックすることはまずありません。“かくれ貧血”は、保険診療の対象ではないからです。

■鉄欠乏と薄毛の密接な関係

鉄欠乏はいくつもの理由から、髪を弱らせる原因になります。

1.潜在鉄欠乏(フェリチン低値)…代謝低下、頭皮の衰え・冷え
2.貧血(ヘモグロビン低値)…頭皮への酸素供給不足
3.鉄不足による消化吸収力の低下…栄養状態の悪化
4.甲状腺ホルモンのはたらき低下…ひどい鉄欠乏で起こり、代謝低下や薄毛に

代謝とは、新しい細胞を作ったり、体の材料を新しいものに入れ替えたりして、その機能を良好に保つこと。鉄や亜鉛などのミネラルや甲状腺ホルモンは、この“代謝”を支える中心メンバーなんですね。

皮膚や髪の毛、消化管などは、もともと代謝が速い部分なので、代謝が低下するといちばん最初に調子が悪くなります。髪が抜けたり、頭皮や皮膚にかゆみやかさつきが出たり、胃腸がもたれやすくなったり……。

そして消化管まで弱ってしまうと、せっかく鉄分の多い食材を摂っても、十分に消化吸収できず鉄分が取り出せなくなってしまいます!

わたしの場合は、鉄剤内服による副作用でひどい便秘にも悩まされました。症状も深刻でしたので、代わりに注射をつかって補充をし始めたのが40代前半の頃。ようやく回復に至りました。

おかげさまで、今はからだの調子だけでなく髪と頭皮も元気になり、仕事もプライベートも楽しんでいます。本来の自分の体って、こんなに快適だったんだ! という感じ。

もう二度と“鉄欠乏”には戻りたくないですね(笑)

■髪のためだけでなく、女性なら毎日意識したい“鉄分摂取”

だからこそ、毎日の心がけによるセルフケアが大切ですよね。
鉄は、一気に吸収できるミネラルではないので、毎日せっせと根気よく、摂取しなくてはなりません。

今は鉄の調理器具が使われなくなり、ひと昔前と比べて、お野菜の中の鉄分もかなり少なくなっています。また、植物性の食材に含まれる非ヘム鉄は、動物性の食材に含まれるヘム鉄にくらべ吸収率が数分の1と低いので、お野菜ばかりでは効率のよい摂取は難しいんです。

できる限り赤身肉・レバー・魚・貝類などのシーフードといった、動物性のものから摂ることをおすすめします。これらの食材には、同じく女性で不足しやすい亜鉛も比較的多いので、一石二鳥ですね! 植物性のものなら、豆乳・ひじきや海苔・ゴマなど、毎日続けやすいものから取り入れるとよさそうです。

すでに貧血やかくれ貧血がある方、食べる量がなかなか増やせない方は、ぜひサプリメントも利用しましょう。ちょっとやそっとじゃ増えませんから、サボらず地道にきちんとやること。

もし子宮内膜症や子宮筋腫、痔出血などがあれば、その出血をコントロールすることも大事です。婦人科や消化器科で相談してみて下さいね。

病院で検査しても不調の原因がはっきりしない時や、半年セルフケアを頑張っても体調や髪によい変化がない場合には、栄養療法を行っているクリニックを受診するのもひとつです。


文/田路めぐみ
松倉クリニック 医師
東京大学医学部医学科卒業。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。2014年より松倉クリニックに勤務。美容のみならず形成外科、再建外科としても活躍。自らの薄毛経験も活かし、体全体とストレスまで考慮した総合育毛治療が人気を呼んでいる

最終更新:2019/12/7(土) 12:08
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