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【ヒットの法則76】ニュルブルクリンクを走って感じた、E46型BMW M3クーペの奥深さとは!?

2019/12/7(土) 18:01配信

Webモーターマガジン

シフトアップポイントを教えてくれるイエローランプ

早くもBMW M3の次期4代目モデル登場の噂が流れ始めた2005年夏、Motor Magazine誌ではドイツ・ニュルブルクリンクであらためて3世代目E46型BMW M3クーペをテストしている。クルマはBMWドライバートレーニング仕様のM3クーペ。ニュルで感じた、その奥深き操る歓びとはどんなものだったのだろうか。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年9月号より)

【写真】ニュルの入口ゲートやガレージ、インパネ、エンジンなどを見る

2000年に登場したE46型M3は、まだまだ第一線の現役モデルとして愉しめる。ニュルブルクリンクを6日間ノントラブルで走行して、そう感じた。
エンジンは本国でS54B20型と呼ばれるBMW M社の作品で、直列6気筒3245ccから343ps/7900rpmの最高出力と365Nm/4900rpmの最大トルクを発揮する。

最新のBMW6気筒エンジンのシリンダーブロックは、アルミ合金からマグネシウム合金へと進化しているにもかかわらず、いまだにこのM3用6気筒エンジンは鋳鉄ブロックである。これは遅れているのではなくて、あえて「選んで」いるのである。高い温度に弱いアルミ合金よりも、ハードな走行に耐えられるというメリットがある。

それだけではない。ピストンが大きな力を発揮した時にもシリンダーブロックの剛性が高ければ歪むことなく、高回転域でも余計な振動や音が出る心配が少ない。そもそも振動が出にくい直列6気筒の素の味を、そのまま引き出そうと考えている「選択」なのだ。

直列6気筒は動的に完全バランスといわれているが、6気筒に合った排気量があるはずだ。2L以下ではフリクションロスが勝ってしまい、レスポンスの悪さが露呈してしまうから適さない。4L以上では1気筒あたりの排気量が大き過ぎて燃焼のロスが出る。

かつては3.5L、3.6L、3.8LというBMWの直列6気筒も存在したが、V型8気筒も進化した現在はこの3.2Lあたりがスイートスポットの上限だろう。他社が直列6気筒を見放してしまった感もある現代、ある意味でこのS54B32型エンジンは「ラスト・サムライ」のような存在である。

タコメーターは8000rpmからがレッドゾーンになっている。水温が通常になれば7500rpmからイエローゾーンになるが、低い時には4500rpmからイエローのランプが点灯する。最新のM5/M6とは違ってまだ水温計が付いているが、このランプは冬期などの冷間時、走り始めにどれくらいまで回転を上げてもいいのかというインフォメーションになる。

またこのタコメーターの周囲に500rpmごとに備わったイエローランプは、エンジン回転が上がっていってイエローゾーンに近づくと、水温が低い時のように徐々に下がっていき、レッドゾーンへ飛び込みそうな時には4000と4500rpmの間にある赤いランプが点滅してドライバーに知らせてくれる。

F1でドライバーにシフトアップポイントを知らせるランプと同じ役目を果たしている。全開加速でも直線でならタコメーターを見る余裕もあるだろうが、コーナリング状態ではなかなか難しい。その意味で派手に点灯する黄色と点滅する赤色の光はドライバーにうまくインフォメーションを伝えてくれるだけでなく、エンジンを守るための手段として素晴らしいシステムだと思う。

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最終更新:2019/12/7(土) 18:01
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