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90分で地球1周! 様々な宇宙の写真をツイッターにあげたけど「伝えられなかった」こと

2019/12/7(土) 11:00配信

文春オンライン

「いままで宇宙ステーションに守られていたんだな」ひとりぼっちで宇宙に出た時に感じたこと から続く

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 1989年、日本人が初めて宇宙に飛び立ってから30年。これまでで合計12人の日本人が宇宙飛行を経験し、地球をこの星の「外」から眺めてきた。歴代すべての日本人宇宙飛行士への取材を行い、彼らの体験を1冊にまとめた 『宇宙から帰ってきた日本人』 が発売中だ。今回は90分で地球を1周する国際宇宙ステーション(ISS)から見える風景について。

◆ ◆ ◆

約90分で地球を1周する国際宇宙ステーション

 秒速8キロメートルで巡行する国際宇宙ステーション(ISS)は、地球を約90分で1周する。日本人宇宙飛行士・油井亀美也にとってISSから見た地球や星々は、地球にいたときの想像をはるかに超える美しさであった。

 ISSの内部の「キューポラ」にはロボットアームの操作盤があるが、その窓はアームの操縦や宇宙機の接近・分離を目視するためだけではなく、地球や天体の観測にも使用される。そこから地球や宇宙空間を眺めていると、「この薄い窓を隔てた外側は、全くの死の世界なんだよな……」と、彼は思った。  

 地球の背後に広がる宇宙の闇はあまりに深く感じられ、そして、その死の世界に言葉にならないほど美しい地球が浮かんでいる。油井にとりわけそんな感情を呼び起こしたのは、地球を取り巻く大気の薄さだった。地表を覆う大気層は、地上10数キロまでの対流圏、約10から50キロメートルの成層圏、高さ80キロメートルまでの中間圏、その上にさらに熱圏と幾層にもなっており、ISSが飛行する地上400キロメートルはこの熱圏に当たる(国際的な定義として「宇宙」とは高度100キロメートル以上を指す)。

 宇宙飛行士が大気をぼんやりとした青い層として見るのは、大気中に分散する分子のなかで波長の短い青色が見えるからである。油井が「なんて薄いんだろう」と感じたのも、そんな地表の縁の部分の薄っすらとした層があまりにか弱いものに見えたからだ。

「周囲は真っ暗な死の世界であるのに、地球は生物で満ち溢れている。それなのに、その生と死の世界を分ける大気の層はあまりに薄く、簡単に壊れてしまいそうに感じる。あの美しさがよりその実感を高めるんです」

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最終更新:2019/12/7(土) 11:00
文春オンライン

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