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反骨の志士を演じ切った声の名優・井上真樹夫

2019/12/7(土) 6:00配信

文春オンライン

 令和元年11月29日(金)、またひとり昭和を代表する名優のおひとりが旅発たれた。井上真樹夫さん80歳。持病の狭心症悪化による急性心臓死のため千葉のご自宅で息を引き取られた。

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 井上さんといえば『巨人の星』(’68年)の主人公・星飛雄馬(声・古谷徹)のライバル・花形満や『ルパン三世(TV第2シリーズ)』(’77年)以降の通称二代目石川五ェ門、そして、松本零士原作の『宇宙海賊キャプテンハーロック』(’78年)の主人公・ハーロックの声などで知られる、元祖“イケボ”だった。イケボとはイケメンボイスもしくはイケてるボイスの略で、聞くだけでイケメンを連想される声、またはその声の持ち主を意味する。井上さんは、’95年に亡くなられた富山敬さん、現役でご活躍中の神谷明さんと“声優御三家”と称され、一世を風靡された。

29歳で中学生を演じる“声の魔法使い”

 その芸歴はテレビ黎明期まで遡り、テレビアニメの出演はその元祖の『鉄腕アトム』(’63年)のゲスト出演からスタートする。そこからわずか5年で井上さんは、生涯最大の当たり役のひとつと出逢う。それが花形満だった。花形モーターズの御曹司で、レールに敷かれた人生から自暴自棄となり、不良少年とつるみ悪さばかりしていた彼が、星飛雄馬という生涯にわたる盟友にしてライバルと出逢ったことで人生が一変。やがて阪神タイガースの若き獅子としてマウンド上の飛雄馬と火花を散らしていく姿を時に美しく、時に激しく演じて大人気となった。

 漫画原作・アニメでは花形満の中学生時代から飛雄馬の姉・明子(声・白石冬美)と結婚してからの壮年までが描かれたが、スタート時のリアル年齢29歳の井上さんは、視聴者になんの違和感も与えることなく見事に中学生の花形を演じ切った。飛雄馬役の古谷はリアル中学生だったが、視聴者は井上さんも中学生だと思い込んでいた。

 花形以降、井上さんは、本宮ひろ志原作の『男一匹ガキ大将』(’69年)の片目の銀次役や『男どアホウ甲子園』(’70年)の主人公・藤村甲子園役など、破天荒で反骨精神溢れるキャラクターを演じる機会が多くなるが、そのイメージはやがて“孤高の一匹狼”的キャラクターに昇華されていく。その代表的なキャラクターのひとつが先の石川五ェ門(二代目)であり、キャプテンハーロックだった。

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最終更新:2019/12/7(土) 6:00
文春オンライン

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