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東大クイズ研が苦戦する番組の作り方が巧いね――亀和田武「テレビ健康診断」

2019/12/7(土) 17:00配信

文春オンライン

 今年になって『東大王』を観る機会が増えた。

 夏井いつき先生の絶妙な俳句添削トークに聞き惚れる『プレバト』と系列局も同じ、放映日も一日違いの同時間帯で出演者も重なる。これが大きな要因かな。

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 昔はクイズ番組って、けっこう好きだった。児玉清さん司会の視聴者参加型番組『パネルクイズ アタック25』とかね。『世界ふしぎ発見!』も、ある時期まではよく観ていた。

 でも、月に二、三回は、黒柳徹子さんが全問正解って、どうよ。そんな気持ちが膨らんでいく。

 物知りタレントが毎回優勝するマンネリ感に飽きが湧いた。それと黒柳さん、よく予習してるんだ。

 次回は古代エジプト文明とか伝えられると、入手可能な資料には、ざっと目を通すんだろうな。そんな余裕が徹子さんの解答からは窺えた。勉強した人が、難問を出されても正解する。これが続くと、さすがにスタジオの空気は淀む。

 もう十数年前だ。情報番組の司会をバリバリこなす系の女性タレントが、クイズ番組の秀才枠を確保するため、漢字検定など猛勉強したストレスで「頭に神経性のハゲがいくつも出来て」という話を情報通から聞き、失笑してしまった。

 もともと勉強が嫌いだからタレントになった人が、柄にもなく受験勉強をすると、そりゃ反動で髪の毛も抜けますよ。インテリ芸能人が、学生服とセーラー服着てヒナ壇に並ぶクイズ番組っておぞましかった。

 そこへいくと『東大王』は、となる。ハリー・ポッターみたいなガウン着て、いかにもIQ高そうな東大チームの顔をみたときは、正直キモッと思った。

 それと『東大王』って番組名も、よく付けたよなと呆れた。なにしろ私は、漢字もたまに読み違える現首相と同窓ですからね。

 でもね、番組の作りが巧いんだろう。冒頭のスピードアンサーで、両チームがリレー形式で息せき切って難問に答えるシーンって、ついつい見入ってしまう。

 東大クイズ研の猛者(もさ)たちが、一般正解率六割の問題に苦戦しバタバタ討ち死にする姿は滑稽で笑える。逆に山下真司が三鞭酒なんて漢字を、こともなげに「シャンペン」と答える姿は味があり、スタジオに「かっこいい」の声が飛ぶ。

 芸能人チームを、いま実質的に支えるのは、富永美樹とアンミカだ。そして隠し玉の山下真司。ずいぶん勉強したんだろうな。富永さん、あの沢尻「別に?」発言のときの進行役です。スターダストって事務所。アチラはスターで、私はダストですからってコメント覚えてます。明と暗。ダストが猛勉強で光り輝く場面を見たのもドラマです。

 東大チームは、鈴木光ちゃんが二週連続「学業のため」にお休み。彼女が毎週出ないのもお得感ある。

INFORMATION

『東大王 2時間SP』
TBS系 11/27(水) 放送
https://www.tbs.co.jp/toudaiou-TBS/

亀和田 武/週刊文春 2019年12月12日号

最終更新:2019/12/26(木) 11:03
文春オンライン

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