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元三洋電機社員55歳の“逆転人生” 中国・独身の日に話題を呼んだ日本メーカー「シリウス」とは?

2019/12/7(土) 6:00配信

文春オンライン

 11月11日は、今や中国の風物詩となった中国「独身の日」。アリババ集団の今年の売上高は前の年より26%多い4・2兆円に達した。10億元を超えた華為技術(ファーウェイ)やアップルのスマートフォンにはかなわないが、今年、現地で話題を呼んだ日本メーカーの製品がある。

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 元三洋電機社員の亀井隆平が脱サラで立ち上げた家電ベンチャー、シリウスが開発した水洗いクリーナー「スイトル」。掃除機のホースの先に接続し、ジェット噴流で水を吹き付け、瞬時に吸い取る。家にある掃除機が「水洗いクリーナー」に早変わりする、という優れものだ。

 日本のインターネット上で話題になっていたのを、中国の仮想ショッピングモール大手「サイバーマート」の創業者、張瑞麟が見つけ、わざわざ亀井に会いに来た。新橋の第一ホテルに出向いた亀井がパソコンで「スイトル」の動画を見せると、張は「面白い」と興奮し、「ぜひ、うちと一緒にやろう」と合弁を持ちかけてきたのだ。

 シリウスとサイバーマートは香港にサイバー&シリウスという合弁会社を作り、独身の日を目指して中国生産の準備を進めてきた。「スイトル」の販売網は中国、台湾、韓国、シンガポール、マカオにまで広がり、累計の販売台数は5万5000台を突破している。

家電業界に飛び込んだ柔道6段の猛者

 55歳の亀井は身長180センチ、体重100キロの偉丈夫。30歳までは国士舘大学柔道部、三洋電機柔道部の選手で鳴らした柔道6段の猛者である。三洋電機時代は渉外担当として、当時、社長だった創業家の井植敏雅や会長の野中ともよの下で働いたこともある。

 国士舘を卒業した亀井は、知り合いのツテで衆議院議員の浜田幸一の秘書を2年ほど務めた。しかし「政治の世界は自分には向かない」と考え、栃木県の足利で古紙回収の家業を継いでいた国士舘体育学部の同級生の元に転がり込んだ。夜は地元の道場に通っていたが、そこで三洋電機柔道部の監督に見出され三洋電機に入社する。全日本選手権でベスト8までいったが、脚を痛めて30歳で引退。家電の営業マンに転じる。

  ところが2004年10月の新潟県中越地震で新潟三洋電機の半導体工場が壊滅的な打撃を受けた三洋電機は、約700億円の赤字に転落する。2005年には起死回生をかけ、創業者の孫にあたる井植敏雅を社長に、そのサポート役としてジャーナリストで金融知識も豊富な野中ともよを会長に就任させる。二人は「Think Gaia(シンク・ガイア)」のコンセプトで、傷ついた三洋電機を「環境・エナジー先進メーカー」に再生しようと試みた。

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最終更新:2019/12/7(土) 12:27
文春オンライン

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