ここから本文です

証券市場で防戦買いの弾が尽き始めた韓国、外国人の攻撃で… 文在寅が直視しない現実

2019/12/7(土) 15:30配信

デイリー新潮

ハンギョレは「強欲な米国」を批判せず

――冷静な報道も、あるにはあるわけですね。

鈴置:興味深いのは左派系紙、ハンギョレの報道ぶりです。「KOSPI、来年は米証券市場の株価上昇率を上回るか…世界投資銀行『比重拡大』」(12月2日、日本語版)と、全く無批判に外国系銀行の「買い推奨」を報じたのです。

 反米左派を代表する新聞ですから、親米保守の朝鮮日報以上に、舌鋒鋭く「米資本主義の強欲」を書きたててもいいのに……。書いたのは駆け出し記者ではなく、先任記者の肩書を持つベテランですから確信犯と思います。

――なぜ、こんな記事をハンギョレが……。

鈴置:文在寅政権への忖度でしょう。政権を揺るがす大スキャンダルが発生した。すでに経済政策の失敗は誰もが認めるものとなっている。そんな時、政府系紙としてはせめて「来年の株価は上がるぞ」と書きたくなるのだと思います。

 ハンギョレのこの記事こそが、現在の韓国の危さを象徴しています。経済的な危機が迫っている。下手すると通貨危機に陥るかもしれない。というのに指導層は政争を繰り広げるばかりで、厳しい現実を直視しない。

身内で争い、回りが見えない韓国人

 1997年秋の通貨危機も政争の最中に起きました。同年12月の大統領選挙を前に、金泳三(キム・ヨンサム)政権は野党と抗争を繰り広げていた。そんな中、外国資本が逃げ出しているというのに、何の対処もしなかったのです。

 文禄の役(1592-1593年)の前もそうでした。日本の意図を探ろうと秀吉に会った李氏朝鮮の使臣の1人は「日本が攻めてくる」と判断しました。しかし、権力闘争のあおりでその正確な判断は無視され、朝鮮は何の戦争準備もしなかったのです。

 韓国人は身内でつかみ合いのケンカを始めると、回りが見えなくなるのです。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年12月7日 掲載

新潮社

4/4ページ

最終更新:2019/12/7(土) 16:54
デイリー新潮

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ