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<純烈物語>サラリーマン、モデル、仮面ライダー、純烈、小田井の昇った階段<第22回>

2019/12/7(土) 8:31配信

週刊SPA!

―[ノンフィクション連載「白と黒とハッピー ~純烈物語」]―

<第22回>純烈における小田井の立ち位置は「自分も生かした上で全体のプラスになるのが究極」

 小田井涼平の話を聞いていると、自己をしっかりと持った上で周囲が描いたことに乗っかるのも才能だと思った。何もかもを個人の意思で進めるのとは違い、そこにはシチュエーションや人間を見極める力を要する。

 自発的な動機にこだわるがあまりほかの選択肢を見いだせず、一つがダメだとそこで終わってしまうケースは世の中にあまたある。他力による可能性を生かせたら、それも立派な成功の形に変わりはない。

「うーん、僕はやっていくうちに見つかるタイプなんでしょうね。最初から自分の中では決められない。今思えば、すべてがそうなんです。どこに就職するかもギリギリまで決まらなくて、最終的に決めた理由もその仕事がしたかったからではなく、面接にいって話を聞いてなんとなくここがいいかなと思ったからで、職種で決めたわけではなかった。

 仮面ライダーのオーディションにしても、純烈の話も自分から動いたわけではなかったじゃないですか。もっとさかのぼると、仙台にいったのもそこでモデルになったのも、どうしてもと自分が望んだわけではなかったし。その時その時に巡ってきたものに対し頑張った過程が実は階段で、知らぬうちに昇っていただけなんです」

 神戸学院大学を卒業した小田井は地元の家電メーカーに就職。研修を終えると、いきなり仙台への赴任を言い渡された。

 右も左もわからぬ街へいくと、職場は全員遥かに年上。これが何を意味するかというと「会話のほぼすべてが敬語」の日々となる。

 社内では言うまでもなく、営業に出ても得意先や顧客とのコミュニケーションだから、タメ口で話せる対象がいない。気がつけば半年間もその状態が続いていた。

 そんな毎日が続くのはさすがにまずいと思い、気兼ねなく話せる友達を作ろうと決意。何か習いごとに通えばそこで仲よくなれると、公衆電話に置いてあるタウンページをペラペラとめくった。

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最終更新:2019/12/30(月) 2:29
週刊SPA!

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