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【一問一答】「 連合学習 」とは?:プライバシーを重視したウェブ広告技術

2019/12/8(日) 12:11配信

DIGIDAY[日本版]

──では、Googleはどのように連合学習を使用する計画なのですか? また、なぜいまこれを行うのでしょうか?

Googleが数カ月前に提案したFLoCは、機械学習アルゴリズムを使用することで、ブラウザ履歴などの行動データに基づいてユーザーを関心別のグループ(フロック)に振り分けます。そして、自己学習によってモデルを構築し、その堅牢性を高めます。その際に利用するのは、個々のユーザーのデータではなく、数千人単位の集団であるフロックのデータであるため、プライバシー関連の規制により準拠しているとみなされます。エージェンシーや広告主は、このモデルを活用することで、たとえば、金融関係やラグジュアリーブランドのクライアントに最適なオーディエンス層を特定できるようになります。

──なるほど。では、新しい点はなんでしょうか?

広告以外の用途では、以前からこのようなシステムが使われていました。FLoCの初期の例として、Googleのキーボードアプリ「Gboard」(Gボード)が挙げられます。このアプリでは、予測変換を行うためにスマートフォンのキーボードを訓練しています。しかし、ユーザーがスマートフォンで入力したすべてのデータを自社サーバーにアップロードして、適切な単語を推測できるようにアルゴリズムを訓練することは、プライバシー関連の規制によって不可能でした。それに、ユーザーの携帯電話からデータを収集すれば、扱いきれないほど大量のデータが集まってしまうことになったでしょう。また、Facebookも「自己教師あり学習(self-supervised learning)という、連合学習とは異なるものの、同様の機械学習技術を利用して自社アプリを改善したり、パブリッシャーや広告主向けの製品に活かしたりしています。この大きな利点は、最初からプライバシーに対処できることにあります。

──それはよさそうですね。一方で問題点もあるのでしょうか?

いくつかあります。Googleは以前から、プライバシーを重視したウェブの広告モデルを構築するための提案を行い、広告業界から意見を集める取り組みを続けています。しかし、Googleが開発した人工知能(AI)モデルの主導権をGoogleが握り続けることになると、批判する人たちもいます。実際、GoogleのFLoCは、悪意のある攻撃者に機密データへのアクセス権を奪われる可能性があるとして非難を浴びています。Googleの提案では、ウェブユーザーのタイプを識別できるフロック名をブラウザが受け取り、そのフロック名をユーザーがHTTPヘッダーとして共有します。そのため、そのユーザーがウェブ上でやり取りするすべての人に、この情報が共有されてしまうのです。

──ほかの業界についてはどうですか?

連合学習システムは今後さらに増えるでしょう。防衛、通信、医療など、広告以外の業界でも利用されています。また、自動運転車の訓練への活用も模索されています。連合学習では、(これまでのクラウドベースの機械学習のように)大量のデータを転送する必要性がないため、処理速度を高めることができるからです。

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)

 

編集部

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最終更新:2019/12/10(火) 8:51
DIGIDAY[日本版]

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