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マンション保険値上げ続々 更新で数倍も、住民は留意

2019/12/8(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

マンションの管理組合が加入する保険の値上げが相次いでいる。老朽物件が増えて給排水管などの破損が多発し、保険金支払いが膨らんでいるからだ。大型台風による浸水でマンションの共用部に大きな被害が出たのは記憶に新しい。管理組合は契約更新前に対策を練りたい。

■「1年古くなるごとに数%上昇」

「10月以降は更新期に保険料がそれまでの数倍に跳ね上がる可能性がある」。不動産コンサルのさくら事務所(東京・渋谷)の土屋輝之氏はこう指摘する。分譲マンションの火災保険は2種類あり、専有部分は各所有者が、共用部分は管理組合が保険に加入する。保険料の上昇が目立つのは共用部分の保険だ。
損害保険各社はここ数年、火災保険の値上げを繰り返しており、この10月にも改定があった。変化率は地域や規模で違うが、東京都内の物件では今年10月分だけで20%超上がった例がある。2012年以降は築年数によって保険料に差をつける仕組みも一般化。細部は各社で異なるが、「総じて1年古くなるごとに保険料は数%上がるイメージ」(大手損保)という。
共用部保険の期間は最長5年。今年10月以降の更新では、過去数回のベース保険料の上昇がまとめて反映される上、築年数が古くなった分を加算されるマンションもある。結果、前回契約時に比べて保険料が数倍に膨らむケースが出る見込みだ。
なぜ、こんな事態になったのか。共用部用保険は主契約が火災補償で、水ぬれなどは特約で補償する。マンションの全焼リスクは低く、保険事故の中で最も多いのは水ぬれ関連だ(グラフA)。

■早めの老朽化対策がカギ

特に1980年代以降に大量供給されたマンションが築30年を超え、老朽化した給排水管が絡む事故が多発。水ぬれ関連の保険金の支払いが増えている(グラフBは一般住宅向け保険全体)。老朽化した給排水管修理は保険の対象外だが、水ぬれで生じた損害に対する賠償責任特約の支払いが増えているようだ。

保険事故の多発で保険料が上昇している。大幅値上げになれば、管理費の上昇につながり、個人所有者の家計も圧迫する。早めに対策を考えておく方が無難だ。
最も有効なのは早めに老朽化対策を施し、事故そのものを減らすこと。例えば、日新火災海上保険は15年からマンション管理士が給排水管の工事実施や長期修繕計画の設定などの状況を診断し、高評価を受けると平均20~30%保険料を引き下げる商品を発売し、契約数を増やしている。
他の損保大手も10月、各マンションの事故率で保険料を変える制度を一斉導入した。一定期間の事故数をマンション戸数で割って事故率を算出し、「2%以下」など低水準なら保険料を大幅に下げる。そのほか、独自基準を設けて保険料を割り引く会社も増えている(表C)。

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最終更新:2019/12/8(日) 7:47
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