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野球の楽しさと気付き。プエルトリコで“戦力外”になった岡大海が感じた自らの原点

2019/12/8(日) 17:02配信

THE DIGEST

中南米の選手たちが行う少年時代からの遊び感覚のルーティーン

 そう話した岡にとって、異国で自分と向き合ったことは貴重な時間になったという。特に感じたのが、日本人とラティーノの野球への向き合い方の違いだった。

「すごく楽しそうにやっているなと感じました。ロッカールームでは大音量で音楽をかけたりしていますけど、いざ試合が始まるとみんな顔色が変わって、オンとオフをすごくはっきりさせているのが分かりました」

 オフの日に地元の少年野球を見にいくと、サッカーのリフティングのように輪になり、グラブトスでボールを回しながら楽しそうに笑っている。プエルトリコのウインター・リーグでプレーするプロ選手たちだけでなく、中南米選手たちがよく行う遊びだ。

「遊びの中から、柔らかいグラブさばきにつながっているのかな。そこはまた日本とは違うのかなと感じました。違った野球を知れているのは、自分の経験としてすごく大きい。改めて野球が好きなんだなと。ずっと日本にいたら、どうしても思い出しにくい部分かもしれません。こっちに来て、自分の目を覚ましてくれたと思います」

 楽しみながら真剣にプレーするという、野球選手としての原点。そして10打数無安打、シーズン途中のロースター外という厳しい現実──。 

 いずれもプエルトリコに来なければ、味わうことはできなかった。

「日本に来ている外国人の気持ちがちょっと分かるような(笑)。行く前と今では、だいぶ違うかなと思います」

 岡が3週間強の間に過ごしたプエルトリコでの濃密な時間は、来季、必ずプラスに働くはずだ。

文・取材●中島大輔(スポーツライター)

【著者プロフィール】 
なかじま・だいすけ/1979年生まれ。2005年から4年間、サッカーの中村俊輔を英国で密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた『野球消滅』。『中南米野球はなぜ強いか』で17年度ミズノスポーツライター賞の優秀賞。

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最終更新:2019/12/8(日) 18:02
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