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アルファロメオ GTVは好き者を惹きつける欠点だらけのイタリアンクーペ──連載「ココロに効くクルマに乗ろう」

2019/12/8(日) 21:43配信

GQ JAPAN

持続可能性や気候変動問題など、世界中の自動車メーカーにとって環境問題は喫緊の課題だ。しかし、それによってクルマ作りがつまらなくなってしまった捉えるファンが多いのも確かだ。逆説的に考えれば、都会に住まう人間にとって、そういった課題意識とは無縁だった時代に作られたクルマは、「わざわざ」乗るに値する価値を持っている。伊達軍曹によるココロに効くクルマ選び、第4弾は粋なイタリアンクーペ 、アルファロメオ GTV。

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V6を積んだイアリアンクーペ

郊外や地方都市に住まうのであれば話は別だ。しかし東京あるいはそれに準ずるような都市に住まう者にとって、「実用」を主たる目的にクルマを所有する意味はさほどない。

そんな状況下で「それでもあえて自家用車を所有する」というのであれば、その際は何らかのアート作品を購入するのに近いスピリットで臨むべきだろう。

明確な実益だけをそこに求めるのではなく、「己の精神に何らかの良き影響を与える」という薄ぼんやりとした、しかし大変重要な便益こそを主眼に、都会人の自家用車選びはなされるべきなのだ。

そう考えた場合におすすめしたい選択肢のひとつが、日本では1996年から2006年まで輸入販売されたイタリアンクーペ、アルファロメオ GTV。なかでも、古典的なV型6気筒エンジンを搭載したグレードである。

アルファロメオGTVは、イタリアのカロッツェリア「ピニンファリーナ」に在籍していた自動車デザイン界の鬼才、エンリコ・フミアの筆による2ドアのスポーティクーペ。フミアは、ほかにランチア イプシロンなどの知られざる名作や、一般的にも有名なところでは4代目スバル レガシィのデザインも担当している。

そのフミアによるアルファロメオ GTVは、直列4気筒エンジンを搭載するグレードと、V型6気筒エンジンを搭載するグレード群とに大別できる。

V型6気筒も3世代に分けることができ、ひとつは、最初に登場した「2LなのにV型6気筒」というやや特殊な方式を採用した世代。これはハッキリ言って大したエンジンではなく、今や中古車の流通もほぼ皆無ということで、無視するに値する。

お次に登場したのが「3LのV型6気筒」。これは古くからあったアルファロメオ謹製V6ユニットをほぼそのまま使ったもので、いわゆる官能性においては最高レベルだと断言できる。

その次に登場したのが「最終型」にあたるグレードで、これは3.2Lに拡大されたV型6気筒を搭載した。こちらも素晴らしい大官能エンジンだが、環境対策の観点から触媒(排ガス浄化装置)の数を増やしたため、中期3Lと比べるとならばその官能性は微妙に劣る(と筆者は思っている)。

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最終更新:2019/12/8(日) 21:43
GQ JAPAN

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