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【2019総括・オリックス】山本&山岡のWエースが君臨。一方で守護神・増井が崩れ、若手野手も伸び悩み

2019/12/8(日) 17:34配信

THE DIGEST

「アグレッシブ」なチームに投手の柱も二枚加わったが…

●収穫と誤算

 今シーズンから西村徳文監督が就任し、チームは明らかに変わった。西村監督は「アグレッシブ」をチームスローガンに掲げ、攻めたがゆえに失敗したことについては「失敗を恐れるな」と選手を咎めなかった。

 その結果、福田周平、西浦颯大、佐野皓大らが台頭し、盗塁数は昨年の97から122に増加。オリックスは「走るチーム」という意識を植えつけた。序盤は不調だった吉田正尚は交流戦前から復調し、終盤は首位打者争いを演じるなど球界を代表するバッターに成長。退団した金子弌大(日本ハム)、西勇輝(阪神)が抜けた先発投手陣は、最優秀防御率を獲得した山本由伸、山岡泰輔の若きダブルエースが埋めてみせた。

 こうした収穫があったにもかかわらず、チームは最下位に終わった。

 これには大きな原因が二つある。

 一つは守護神・増井浩俊の不調。もう一つは9月の9連敗である。

 増井の不調は大きな誤算だった。増井自身が「3回続けて打たれることはない」と話していただけに、納得のいかないシーズンになってしまった。
 
 また、チームが一気に若返りを図ったため、フルシーズン一軍経験をした選手が少なかった。選手の疲労は見ていて気の毒なほど溜まっていた。これは終盤のつまずきと無縁ではないだろう。

 11月に投打を分けて行われた秋季キャンプでは、首脳陣が「全選手を把握する」狙いがあったという。西村監督は「意識づけはされたけど、優しい選手が多い。もっとアピールしないと」と、来季に向けて選手の貪欲さを求めている。

あの山本も認めるスター候補生から目が離せない

●2019年を“象徴”する試合
8月2日/オリックス 9-8 西武/京セラドーム
西 |200 600 000|8
オ |100 440 000|9
[勝]比嘉 幹貴(2-1-1)  
[敗]平良海馬(0-1-0) 
[S]近藤 大亮(3-4-1)
[本]西:森友哉(12,13)

 この試合は、毎年恒例の人気企画『Bs夏の陣2019』の初戦。今年は“荒ぶる猛牛”をテーマに、ストロングブラックのユニフォームを着用して行われたのだが、選手にもファンにも好評で、ユニフォーム付きの前売り券は完売した。

 試合は3点リードの4回に6失点を喫したが、5回に4点をあげて再逆転して勝利を収めている。試合後、西村監督は「最後まで全員が諦めなかった」と評価するとともに「このユニフォームを着た最初の試合に勝てたのは大きいんじゃないですか」と、ファンを意識する西村監督らしいコメントも残している。

 8月は「最後まで諦めない」試合が多く、14勝9敗の攻勢で最下位からの“大下克上”も見え始め、「もしや?」と思わせるキッカケとなったこの試合は外せない。

●来季のキーマン
西浦颯大

 秋季キャンプで西村監督が評価した若手選手がいる。今年開幕スタメン入りを果たした高卒2年目の西浦颯大である。西浦は髪の色を明るく染め上げ、前髪を作るなど、外見をイメージチェンジ。体も大きくなっており、練習でも積極的なアピールをしていた。

 これには西村監督も「他の選手にも頑張って欲しいんだけど、西浦はアピールしてますね」と高評価。年末までオーストラリアのウインター・リーグに、外野ポジション争いのライバルである宗佑磨、佐野とともに参加している。

「僕はまだブレイクしてないですから」

 そう語る西浦。山本由伸も「あいつはスゴイ」と認めるほどのスター性も感じさせるだけに、来季は西浦がキーマンになれば面白い。

文●どら増田(スポーツライター)

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、昨年は山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させた。

最終更新:2019/12/8(日) 20:12
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