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「ウクライナ疑惑」で窮地に それでもトランプ再選に追い風が吹く理由

2019/12/9(月) 6:00配信

文春オンライン

 9月末に開始された米トランプ大統領の弾劾訴追が大詰めを迎えている。11月中旬からの計72時間に及ぶ公聴会で、12人(うち女性4名)の政府高官らが次から次へと証言台に立ち、「ウクライナ疑惑」を裏付ける証言を行なった。

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 ウクライナ疑惑は、トランプがゼレンスキー大統領との電話会談で4億ドルの軍事支援を見返りに、民主党のジョー・バイデン前副大統領の捜査を進めるようもちかけたというもの。これまでトランプ側は「ウクライナは軍事支援の凍結を8月まで把握しておらず、7月の電話会談で脅すことは不可能」と釈明してきた。

 だが、11月20日、証言台に立った国防総省の高官のローラ・クーパー氏は「ウクライナ高官から、7月時点で軍事支援の凍結解除の打診があった」と、真っ向から反論。

 さらに行政管理予算局(OMB)職員のマーク・サンディ氏は、「ウクライナへの支援凍結が米国の国防に重大な危険を及ぼしていると警鐘を鳴らした」と証言した。しかも彼は、OMB職員2名が支援凍結の合法性に異論を唱え、辞職した事実も明かしている。

 決定的だったのが、11月20日の駐EU大使、ゴードン・ソンドランド氏による“暴露”だった。

ソンドランド氏が赤裸々に語った電話の内容

 ソンドランド氏は電話会談翌日の、自身とトランプとの電話の内容を赤裸々に語ったのだ。

 氏は、「トランプはバイデンに関する捜査がなければ軍事支援の再開がないと、(ゼレンスキー大統領を)脅していた」と明言。ソンドランド氏は16年にトランプの大統領就任式に際して、100万ドルを寄付するなど、親トランプ派と見られる人物だった。

 外務省高官のデビッド・ホームズ氏も、「ソンドランド氏はトランプに対し、『ゼレンスキー大統領はバイデンの捜査を行う。あなたの言うことなら何でもする』と答えていた」と証言。

 こうした政府高官の離反に、トランプは怒り心頭だ。公聴会で証言中の外交官に対し、脅しのツイートをいくつも投稿し、こうした行為自体が弾劾訴追に値するのではないかという声もあがる。

 だが実際、下院における弾劾訴追は確実視されているものの、年明けに始まる上院の弾劾裁判ではトランプ罷免のために53人の共和党議員のうち20人以上の賛成が必要であり、絶望視されている。

 しかも複数の世論調査によれば、トランプ弾劾に否定的な声が高まりつつあるのも事実である。

 議会の停滞ムードを忌避する声なのだろうが、不気味なことにトランプ再選に追い風が吹き始めている。

近藤 奈香/週刊文春 2019年12月12日号

最終更新:2019/12/9(月) 6:00
文春オンライン

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