ここから本文です

【ついに書類送検】着ぐるみ熱中症死亡 元スタッフが告発「すぐに脱いでいれば……人命よりも夢という環境」

2019/12/9(月) 21:30配信

文春オンライン

 大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」で今年7月、着ぐるみを着ていた男性アルバイトの山口陽平さん(当時28)が熱中症で死亡した事故で、大阪労働局は12月9日、労働安全衛生法違反の疑いで運営会社「京阪レジャーサービス」と岡本敏治社長(44)を書類送検した。

【写真】この記事の写真を見る(4枚)

 当時、「週刊文春デジタル」取材班は現地で関係者を取材。複数の元パーク従業員が運営への不信感を告白し、いかなるときも人前で着ぐるみを脱ぐのはご法度とされている業界の悪しき慣習や、パーク現場責任者が関係者へ送った「懺悔LINE」などをスクープした。

 労働局の調査では、従業員用の飲み物が用意されるなど、直接の労働環境に問題はなかったという。書類送検容疑は、労働者数が法令基準の500人を超えた昨年1月には衛生管理者を3人配置しなければならなかったのに、1人しか選任しなかった疑い。

 着ぐるみ業界全体に激震が走ったこの事件。来年の夏に向けて改善は見込めるのか。当時の記事3本を再公開する。(初出:2019年8月5日)

◆◆◆

 関西を代表する猛暑の街、大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」にて7月28日、スタッフ・山口陽平さん(28)が、着ぐるみショーの練習後、熱中症で死亡した。

 救護にあたった消防局関係者が話す。

「20時03分に119番通報、脱水症状で意識、呼吸なしという報告を受けた。20時12分救急隊員が現地到着。関係者が蘇生をおこなっていたが、脈も無かった。すぐに近所の医療センターに運んだが間に合わなかった」

「国内最古の遊園地」で起きた悲劇

 山口さんは既婚者で、昨年12月からダンサー、着ぐるみ、MC、キャラクターのエスコートなどをする営業チーム・エンターテイメント担当のアルバイトとして働いていた。

「業界としては未経験だが、昔から夢だった仕事で必死に働いていました。『結婚もしていますし、一日でも早く一人前になりたい』って……」(同園関係者)

 ひらかたパーク、通称“ひらパー”は1912年に開業。継続して営業している遊園地としては「国内最古」として知られている。

「毎年100万人以上来場する地元で人気のテーマパークです。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が進出した2001年以降、赤字が続き、来場者数も一時80万人まで低迷しました。が、ブラックマヨネーズの小杉竜一(46)やV6の岡田准一(38)がイメージキャラを務める『ひらパー兄さん』『超ひらパー兄さん』の影響でV字回復。昨年の来場者数は130万人を超えています」(テーマパーク関係者)

 山口さんが入っていた着ぐるみは、パークのマスコットキャラクター「ノームのなかまたち」の「トランプ」という全身緑色の巨大なトロールで、着ぐるみの総重量は15キロ。28日は2度装着したという。

1/4ページ

最終更新:2019/12/11(水) 12:15
文春オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事