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抗がん剤で無効化したワクチンの再接種助成をどう叶えるか

2019/12/9(月) 14:30配信

Forbes JAPAN

私の長男は、2016年5月に急性リンパ性白血病と診断され、抗がん剤治療を受けた。私は、長男の治療中に、治療上必要な医療ケアグッズの販売を行うECサイトを立ち上げ、それをきっかけに「チャーミングケア」という小児分野の外見ケアやメンタルケア、そして保護者のためのトータルケアの重要性を提唱する活動を開始した。

子どもの闘病に1年付き添いをして、さまざまな気づきがあった。もちろん治療は大切だ。しかし、治療以外の子どものケアや家族のケアも大切で、いま私たちがとても関心があるのは、治療後も長期にわたって続くフォローアップについてだ。

白血病も含めた小児がんは、年間の発症が2000人から2500人と言われている。私の息子が罹患した急性リンパ性小児白血病は、月齢や型にもよるが、80%から85%以上が寛解(全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかであること)すると言われている。とはいえ、抗がん剤であったり骨髄移植などだったり、その後の生活や成長に何らかの影響を及ぼす治療を行う。

その影響で、治療中及び治療が終了しても、体の状態が安定するまでの間は、免疫力が非常に弱く、感染症に注意して過ごさなければならない。

そんな治療後のフォローアップのひとつとして、小児がんのワクチン再接種の問題を、私が運営しているポータルサイト「みんなのチャーミングラボラトリー」でも取り上げた。

再接種の料金は20万円近くに

そんな最中、我が家にも事件が起きた。治療を終了後の抗体検査の結果、水疱瘡のワクチンがほぼない状況と判明していた長男が、まだ体の状態が安定しておらず再接種を行えない期間に、当の水疱瘡に罹患してしまったのだ。

長男の水疱瘡は重症化し、口の中や耳の中、足裏などに発疹が現れ、高熱も続き、入院加療を余儀なくされた。まさか自分の子どもがそんなタイミングで感染症にかかるとは想像もしておらず、その重症化した状態にも驚いた。

水疱瘡や麻疹などの感染症は、ワクチンがない抵抗力のない状態で罹患してしまうと、私の息子のように重症化したり、最悪の場合は命の危険にさらされたりする恐れもある。そして、その感染力にも驚いた。一度罹患したはずの三男にも伝染してしまうほどの強い感染力だったのだ。

小児がん治療でワクチンが消失してしまった子どもへのワクチン再接種は、基本的に自費となる(自治体によっては条件付きで助成している自治体もある)。

私の息子の場合は、原因が抗がん剤治療だったということもあり、部分的な欠損であった。しかし、治療によってはすべてのワクチンが消失してしまうこともあり、小児がん治療でワクチンが消失してしまった子どもへのワクチン再接種は、基本的に自費となる。再接種の料金は20万円近くになる場合もあるそうだ。

なってみて初めてワクチン接種の重要性をあらためて理解したのだが、同時にその費用を自己負担せざるを得ない状況も問題であると感じた。この経験から、子どもの抗がん剤治療後の予防接種について、その必要性の認知と公費負担をより強く求めるようになった。

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最終更新:2019/12/9(月) 14:30
Forbes JAPAN

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