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「テクノロジーの本質」から学んだ、私の進むべき道

2019/12/9(月) 7:30配信

Forbes JAPAN

各界のCEOが読むべき一冊をすすめるForbes JAPAN本誌の連載、「CEO’S BOOKSHELF」。今回は、ランディックス代表取締役の岡田和也が「ZERO to ONE」を紹介する。

著者のピーター・ティール氏は、PayPalを創業した「起業家」であり、Facebookのほか、航空宇宙、AIなどの革新的テクノロジーに投資している、最もシリコンバレーで影響力をもつ「投資家」です。彼の「起業論」が具体的に書かれた本書は、多くの経営者が注目し、発売直後から世界的なベストセラーとなっています。

私が本書を手にしたのは、ランディックスの起業後。当時の私は、創業以来、増収増益を更新し続けるなど、経営の手応えを感じる一方で、業界を取り巻く様々な疑問をぬぐえずにいました。なぜなら、不動産業界は、著者が注目している最新のテクノロジーとは対極の、一番変化してこなかった業界だから。広告業界から転身した私の目には、不思議に映ることばかりだったのです。

そのひとつが、戸建住宅を購入するとき、間取りや外観を選べる「注文住宅」より、決められた設計プランで建てられた「建売住宅」を選ぶ方が大半だということ。もっと安く、もっと高品質な理想の家を建てられるにもかかわらず、価格などの情報がオープンにされていないことで、「建売の方が安い」と思い込んでいる方が多いからでした。このままでは、旧来の日本の不動産会社が外国企業に淘汰されてもおかしくはありません。

お客様の選択肢を増やしたい──。そう思ったとき、著者の「テクノロジーの進化なくして、いまの問題を解決することはできない。テクノロジーとは、コンピュータに限らず、『新しい考え、取り組み方』もそのひとつだ。業界が発展するために、新しいテクノロジーを生み出し、ビジネスをゼロから考え直そう」という言葉が、私の進むべき道を指し示してくれました。

いま、当社では、ITを活用して透明性の高い情報を発信し、オーダーメイド住宅を建てる際の土地探しから建築業者の選定、建物完成に至るまで、すべてのプロセスをワンストップで提供しています。成約顧客の半数以上を紹介顧客やリピーターが占めているのは、これまでの取り組みが間違っていなかったことの証明だと思っています。

住宅用不動産という領域では、テクノロジーが時間を短縮・コストを低下させ、なおかつ、情報が透明化するため、顧客と事業者の情報格差が縮まります。また、一般消費者がより早く、より直接的な形で建築事業者とつながるという流れを加速してくれるのです。

家は幸せを育みます。IT化で、より一層、幸せになる家を建てられると思っています。「イノベーションは、誰もが起こせるもの」。私はそのことを本書から学びました。日本の成長を担う多くの人の道しるべになってくれる一冊です。

おかだ・かずや◎広告代理店でキャリアをスタート。バブル期の混沌をキッカケに不動産業界へ。2001年に世田谷区桜新町でランディックス創業。ITの力で新たな不動産ビジネスの形を創造する。企業理念は「不動産を通じて喜び・感動を」。趣味はトライアスロン。

Forbes JAPAN | magazine

最終更新:2019/12/9(月) 7:30
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