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マイクロソフトがクラウド経由で提供、英スタートアップが開発した「AI専用チップ」の実力

2019/12/10(火) 12:32配信

WIRED.jp

マイクロソフトがクラウドコンピューティング・プラットフォーム「Microsoft Azure」の顧客に対し、英国のスタートアップであるグラフコア(Graphcore)が開発したAIチップへのアクセスを提供開始した。AIのためにゼロからつくられたこの専用チップで、AIアプリケーションは大きな飛躍をみせる可能性がある。

テック大手がこぞって独自チップを開発中

マイクロソフトは1980年代から90年代にかけて、インテルのプロセッサーで動作するOS「Windows」の成功によって市場を支配する立場になった。こうして当時のインテルとマイクロソフトの蜜月は、「ウィンテル(Wintel)」とまで呼ばれるまでになったのである。

そしていまマイクロソフトは、ハードウェアとソフトウェアの新たな組み合わせによって過去の成功を再現し、アマゾンやグーグルに追いつきたいと考えている。競争の舞台となるのは、クラウド経由で人工知能(AI)の能力を供給する最先端の技術だ。

AI専用としてゼロから設計されたチップ

マイクロソフトは11月13日(米国時間)、同社のクラウドコンピューティング・プラットフォーム「Microsoft Azure」の顧客に対して、英国のグラフコア(Graphcore)のチップへのアクセスを提供開始した。グラフコアは英国のブリストルに2016年に設立されたスタートアップだ。

グラフコアのチップは、AIに必要な計算処理を高速化すると謳っており、AI研究者や投資家から大きな注目を集めていた。ところが同社は、チップの一般公開や初期テスターによるテスト結果の公表などはしてこなかった。

そしてグラフコアは18年12月になって2億ドル(約217億)の資金調達を発表したが、この投資ラウンドにはマイクロソフトも参加している。マイクロソフトはAIアプリケーションを利用する顧客の増加に伴って、同社が提供するクラウドサーヴィスをより魅力的にするハードウェアを熱心に探していたのだ。

AIに使われるほかの多くのチップとは異なり、グラフコアのプロセッサーはAI専用としてゼロから設計された。グラフコアは、このチップがAIの利用が不可欠なビジネスを営む企業に魅力的に映ればと期待している。次世代のAIアルゴリズムに取り組んでいる研究者たちも、このプラットフォームの性能を試したがることだろう。

マイクロソフトとグラフコアは、13日にいくつかのベンチマークも公開している。それによると、グラフコアのチップは、NVIDIAとグーグルのプラットフォーム向けに記述されたアルゴリズムで、両社の最高クラスのAIチップに匹敵、あるいはそれを上回るパフォーマンスを見せるという。グラフコア用に記述されたコードでは、さらに効率が上がるかもしれない。

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最終更新:2019/12/10(火) 12:32
WIRED.jp

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