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東京五輪、マラソンスイミングも会場変更して! お台場に懸念の米水泳チームが訴え

2019/12/10(火) 19:01配信

ニューズウィーク日本版

──水温の高さと水質の悪さで競技参加に不安

東京五輪の会場について、11月にはマラソンと競歩で気温を理由に東京都から札幌に変更されたばかりだが、米国のオープン・ウォーター・スイミング(OWS)関係者からも、同様の措置を取ってほしいという声が上がっている。米AP通信が12月4日と6日にそれぞれ報じた。

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OWSは、海や川など屋外で長距離を泳ぐ競技だ。東京五輪ではお台場海浜公園で10キロのマラソン・スイミングが行われる。しかし米国の同競技関係者は、会場をお台場から富士山の麓にある湖に移してくれるよう、密かにロビー活動を行っているという。気温・水温の高さと水質の悪さへの不安からだ。

OWSの米五輪チームのキャサリン・ケイス監督はAP通信に対し、「マラソン選手が(競技中に)意識を失って倒れた場合、打撲やけがで済むかもしれない。しかしもしOWSでそんなことがあったら、命取りになりかねない」と述べた。

国際水泳連盟が定める水温の上限は31度だが、今年8月にお台場で行われたテスト大会では30.5度まで上がった日もあったという。ケイス監督によると、米国の選手たちは水温が29.45度を超えた場合、参加を見合わせるようにアドバイスされている。とはいえ、レースに出るか否かを判断するのは選手自身であり、五輪のような大きな大会であれば、「出場するプレッシャーを感じる可能性が高い」と同監督は説明する。

東京五輪出場が決まっているヘイリー・アンダーソン選手は、「毎年大きな大会があるNBA(バスケットボール)などとは違い、水泳は4年に1度しかない」と指摘。「五輪には出たい。でもどんな代償を払うのか」と不安をのぞかせる。

同選手は、8月のテスト大会に出場した際、4分の1もいかないところで棄権した。気温も水温も高かったため、泳ぎ続けるのは危険だと判断したためだ。

先日行われた全米オープンで、東京五輪の会場変更について意見を求められたアンダーソン選手は、「選手はレース場所を選べない」とフラストレーションを口にしつつ、「ただ、もっと安全なところがいい」と本音を打ち明けたという。

■ スクリーンや砂投入で水質改善なるか

米OWSチームがお台場で懸念しているのは、水温だけではない。

8月のテスト大会では出場選手から「トイレのような臭い」という意見も出ていたように、大腸菌など水質の問題もある。スクリーンを設置するなどの対策も講じられるが、このスクリーンが水温上昇の一因になっているとの見方もある。

こうした懸念についてAP通信は、東京五輪広報担当者から、スクリーンを開けるなどして水温を抑える方法を考慮するとの回答を得たとしている。

AP通信はまた、日本の五輪組織委員会など大会運営側はこれ以上の競技を東京外に移動させたくないと考えていると指摘。ここまで開催が近いタイミングでの会場変更を、国際五輪委員会(IOC)が受け入れる可能性も低いだろうとしている。

水質改善について産経新聞は12月5日付で、東京都が神津島の砂をお台場の海底にまく方法を取ることを決定したと報じた。砂をまくことで海底の泥の巻き上げを防ぐほか、汚物を吸着したり、水を浄化する水生生物の生育を促したりする効果を狙うという。過去にも運河の水質改善で砂をまいた事例があるというが、どの程度効果があるのかは不明だ。

■ 福島Jビレッジでは放射量の懸念が

五輪関連施設に関する懸念の声は、お台場以外でも上がっている。環境保護団体グリーンピースは12月4日、聖火リレーの出発点となる福島県のJヴィレッジ周辺で行った放射線調査で、ホットスポット(放射線量が高くなっている地点)を複数確認したと発表した。市民が頻繁にアクセスする場所でもあるため、除染を要請したという。

NHKは12月4日付で、11月に環境保護団体から指摘があり、12月にすでに除染が行われたと報じている。

米CNNは、放射線量が高かった理由については東京電力が調査しており、五輪組織委員会は調査結果を待っているところだとしている。

松丸さとみ

最終更新:2019/12/10(火) 19:30
ニューズウィーク日本版

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