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「社長室に暖房も入れずに耐えている」新・NHK会長決定の前田晃伸氏はどんな人物か?

2019/12/10(火) 14:36配信

文春オンライン

 NHKの経営委員会(石原進委員長・JR九州相談役)は12月9日、来年1月に任期満了となる上田良一会長(70)の後任にみずほフィナンシャルグループ元会長の前田晃伸氏(74)を充てる人事を決めた。

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 同日会見した石原委員長は、前田氏を選出した理由について「メガバンクで大きな改革をしてきた実績があり、人をまとめる力や改革を推進する力がある」と指摘。ガバナンス強化や組織のスリム化、新たなネット事業など山積する課題に取り組むリーダーに相応しい人物と評価した。選出された前田氏も「できるだけ早く実情を把握し、公共放送の使命にふさわしい仕事をしていきたい」と抱負含みのコメントを寄せている。

「目立つ存在ではなかった」前田氏が頭一つ抜けた“事件”

 NHK次期会長となる前田氏は1945年生まれ、大分県出身(生まれは熊本県だが、1歳で大分県中津市に移住)。高校は地元の名門中津南高校で、同高出身の金融人には現農林中央金庫理事長の奥和登氏がいる。

 一浪して東大法学部に入り、1968年に卒業し、富士銀行(現みずほ銀行)に入行した。「前田氏はストイックでとにかく真面目。東大卒がごろごろいた当時の富士銀行内ではそう目立つ存在ではなかった」(富士銀行OB)という。

 転機は富士銀行が第一勧業銀行、日本興業銀行と統合し、みずほが誕生する直前の1998年に訪れた。この時、富士銀行を銀行発足以来の不祥事が襲う。埼玉県・春日部支店の行員が顧客であった老夫婦の預金を着服・絞殺したのだ。

 この事件当時の頭取は、富士銀行のドンとなっていた山本恵朗氏で、「企画担当の役員であった前田氏は、山本頭取を支え、マスコミの矢面に立った」(同)とされる。危機に瀕して体を張る前田氏の胆力に周囲は驚いたほどだった。

有力候補を押しのけ、みずほホールディングス社長に

 その後、山本恵朗頭取は2000年に、第一勧業銀行の杉田力之頭取、日本興業銀行の西村正雄頭取と3行統合を実現し、みずほホールディングス(現みずほフィナンシャルグループ)を誕生させた。ちなみに、この主役の一人である西村氏は安倍晋三首相の父・晋太郎氏とは異父兄弟で、晋三氏の叔父にあたる。みずほと安倍政権が近しい関係にある根っこはここにあるとも指摘される。

 山本氏に引き立てられた前田氏はついに2002年にみずほホールディングス社長に昇りつめた。この時も「本命は同じ富士銀行出身の小倉利之副社長と見られていたが、山本氏は小倉氏を系列の芙蓉総合リースに転出させ、前田氏を社長に据えた」(みずほ銀行OB)。

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最終更新:2019/12/10(火) 15:18
文春オンライン

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