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行方不明の弟、不完全な遺言…銀行は「相続預金の払戻」を拒否

2019/12/10(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

誰でも一度は経験するであろう相続。しかし、「争続」の言葉が表すように、相続に関連したトラブルは尽きない。なかには、生前の対策によっては避けられたであろうトラブルも多く、相続を見越した行動が求められる。本記事では、行政書士事務所に寄せられた相談事例を紹介する。

亡くなった母は、生前に遺言書を残していたが…

ご相談者は、お母様が亡くなったことで、遺産相続を行わなければなりませんでした。そこで、対象遺産を確認すると、空き家となってしまっている実家の名義が亡きお父様の名義のままであり、何とかしなければならない状況でした。

さらに状況は複雑で、ご相談者の弟(二男)さんは、もう10年近く所在不明であり、住民票も消除されていて、完全な行方不明者となっているということでした。

加えて、お母様は二男のことがあるからか、ご生前に自筆で遺言書を残しておられましたが、これの内容が不完全なものでした。

手書きで「自分の有する貯金、債券を長男、三男に半分ずつ相続させる」としか書いておらず、それ以外に何も書かれていませんでした。遺言書の要件は満たしていましたが、内容的に遺言書だけでは手続きできない財産が発生することが予測されました。

そのような状況で、どの順番で何をすればいいか全くわからず、筆者のところにご相談された次第でした。

●被相続人:母親、父親

●相続人 :依頼者(長男)、他弟2人(うち1人は行方不明)

●対象遺産:不動産(実家)、預貯金、国債、投資信託、県民共済等

まず、弟さんが本当に行方不明なのか、現在の戸籍謄本、戸籍の附票(住民票の記録)を取得して確認を取りました。すると確かに、弟さんは10年近く前から住民票がどこにもない状態であることがわかりました。

このように、相続人のなかに行方不明者がいる場合は、家庭裁判所で不在者財産管理人(いわば行方不明者の代理人)の選任を行い、この財産管理人が家裁の許可を得れば、本人に代わって相続書類に署名・押印することができます。

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最終更新:2019/12/10(火) 8:00
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