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長期分散投資の第一歩…プロも実行する「欲張らない投資」とは

2019/12/10(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

近年の日本は、資産保全がますます難しい時代を迎えています。金利は実質ゼロ、不動産投資もうまみが減少し、魅力的な投資先は多くありません。本記事では、富裕層だけが存在を知る歴史的なプライベートバンク、ピクテが、実績に裏打ちされた独自の運用哲学をわかりやすく紹介しながら、初心者の資産運用にも役立つ投資テクニックを紹介します。

欲に囚われず、「損失を最小限に抑える努力」が重要

人間は、嫌な出来事はなかなか忘れることができないものですが、どうやら投資に関しては逆のようです。「値上がりした」「儲かった」というような投資の成功体験だけはしっかり覚えていて、損をした失敗体験は都合よく忘れてしまう傾向にあります。失敗を教訓とすることがなかなかできません。

これは、株式投資の経験者であれば覚えがあることかもしれません。ある株式が値上がりして利益を得た記憶が残ると、それが値下がりしても売ることができなくなる。損失を覚悟して売る損切りができないどころか、下がったところで買い増しをしてしまう。あるいは一度目の投資で儲けて、二度目の投資で損をしても、失敗から学ぼうとせずに、儲けた記憶だけを頼りに三度目にまた同じ過ちを犯す――これでは悪循環です。

利益を得ると、誰しも欲が出るものです。ある投資信託で10%の利益を手にすると、次は15%、20%という高いリターンを狙いたくなってしまう。いつの間にか高いリターンを求めて高いリスクの森へ迷い込んでいることに気が付かない――このような投資家は非常に多いのです。

しかし、これでは資産を守ることは決してできません。リスクを最小限にとどめて着実なリターンを得ることを第一に考え、損失を最小に抑えるための努力を惜しまないことが不可欠です。本書(『改訂版 210余年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』)第4章で説明する「欲張らない投資」の第一歩は、まずそこから始まります。

「2%の物価上昇率」を上回る程度のリターンを目指す

資産運用の究極の目的は、金融資産を全体としていかに物価上昇から保全するかです( 『改訂版 210余年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』 参照)。「欲張らない投資」とは、そのためのベースを預貯金とともに支えるための投資であり、もちろん人によって異なりますが、割り振れるのは2年ほどは投資できる資金で金融資産全体の30~70%程度を想定しています。

具体的には、インフレ率を上回る程度のリターンが取れればよいとする「預金の一歩先」のような投資です。政府・日銀が2%のインフレ率を目標としているのなら、2%を上回る程度のリターンを目指します。

この利回りを物足りないと感じる人もいるかもしれません。株式相場が上昇を続けているような投資環境のよい時には、短期間で10%、20%という値上がり益も期待できます。しかし、投資環境のよい時に、大きなリターンが期待できる投資は、環境が悪くなった時には大きく下がるリスクと隣り合わせです。このような大きく上がるかもしれないし、大きく下がるかもしれないという投資はリスクが高く、資産を守るという目的には適していません。

「欲張らない投資」では、大きな下落を避けるために、大きなリターンを期待しません。例えば投資信託では分配金に関心を持つ人が多く、「高いほどよい」という風潮もありますが、「欲張らない投資」では、高いほどよいのではなく、「程よい水準のほうが安心」と考えます。

なぜなら「欲張らない投資」くらいの低リスク運用が、分散投資のメリットを一番享受できるというセオリーがあるからです。「預金の一歩先」のような投資だからこそ、確実性を高めることが大前提。確実性を高めるには、分散投資の効果が一番効くと想定される、低リスクの運用が重要になるのです。

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最終更新:2019/12/10(火) 8:00
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